現代の良き母は、自分を楽しむことができる人

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〈Vol. 3〉 子育て中のお母さんのための心療内科
現代の良き母は、自分を楽しむことができる人

 今、子育て中のお母さんで「心療内科」を受診する人が増えています。子育てに悩んだり、精神的に不安定になり、医師に助けを求めにいく。そんなお母さんたちには、育った環境にかかわらず、ある共通の考え方が植え付けられているのだと、宇都宮市大寛町のうえの医院・上野裕さんは言います。

 治療にくる子育て中のお母さんに、私はまずこんな質問をします。

 ・ 子どもがどう育つかは、父親より長く接している母親の責任が大きい
 ・ 子育て中もこれまでと変わりなく、家事は女性がやるものだ
 ・ 子どもや夫が元気でいられるように気を遣うのは妻の役目だ

 ほぼ全員が「はい」と答えます。では、これらができなかった場合はどうなると思いますか? 
 例えば、赤ちゃんの夜泣きがひどく、何をやっても泣きやまない。夫には「明日仕事なのに眠れない」と怒られる。幼児期になると、習い事をさせてみたが、高い月謝を払っているのに上達せず、ほかの子に差を付けられていると焦る。
 このように子どもを持つお母さんには、マタニティーブルーを含め、子育て中のさまざまな出来事から、うつ的傾向が見られることが多いのです。涙もろくなったり、無力感、疲労感、不眠、食欲不振、集中力・記憶力の減少など。ひどくなると、不安やイライラ感から子どもを傷つけてしまうのではないかと思ってしまうことさえあります。そして、そんな自分を責めてしまうのです。

■ 子どもは子ども、自分は自分
 そんなお母さんたちに共通しているのは、昔から唱えられてきた“良妻賢母であれ”という考え方です。時代や家族の形態は変化しているのに、根強く残っている“女性らしさ”の追求。しかし、良き母であるため「3歳までは子どもと一緒に過ごしたほうがいい」と社会復帰を諦めたお母さんが、「世間に置いて行かれる気がする」と不安になり、一番身近で弱い子どもにあたってしまう。それでは本末転倒です。
 育児にストレスを感じたら、子どもを預けて友達と食事に行くなど、自らが楽しむことです。「子どもがすべて」という考え方から、「自分は自分、子どもは子ども」とある時は距離を置く。それが、子どもの自立にもつながります。
 それでもストレスを発散できない場合は、医師に相談してください。