この時期にかかりやすい「適応障害」を防ぐ

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〈Vol. 10〉 この時期にかかりやすい「適応障害」を防ぐ
新しい環境を楽しむために必要なのは?

 4月から新しい環境でがんばり始めて、少し疲れを感じてきてはいませんか? 年齢や性別にかかわらず、今の時期に悩む人が多いのが「適応障害」。そこで宇都宮市大寛町のうえの医院・上野裕さんが、新しい環境にうまく適応する方法をアドバイスしてくれました。

 4月は環境の変化を多く体験する月です。それまでの環境を離れ、新たな世界へ旅立つ。格好良く聞こえますが、変わる本人にとっては喜ばしいことばかりとは限りません。新入学生・社員が「勉強・仕事についていけるだろうか」「良い先生・上司に当たるだろうか」「周囲からイジメを受けないか」など考えて、憂うつになる。遠い場所への転勤は、親にも子にも大きな不安をもたらす。幸運であるはずの昇進も、うれしさより苦痛を感じる。このような状態が長く続くと、神経症と呼ぶべき状態に陥ってしまうことがあります。

■ 2人の博士が提案する適応法
 どうしたら新しい環境に適応しやすいか?
 まず、米国の医学博士・エイメンさんの認知行動療法的発想に基づいた提案を紹介しましょう。

(1) 悪いことだけに注意を向けず、良い部分やメリットを中心に考える
(2) ~するべきことだ、~しなくては、と考えずに、~したい、~することは良いことだと考える
(3) 相手が何も言っていないのに、自分に悪い感情を抱いていると決めつけない

 次に周囲との協調性を考えることに関して、当院の医師・水島広子著「自分でできる対人関係療法」から引用します。

(1) できるだけ蕫言葉﨟で伝えたほうがよい
(2) 間接的な言葉は誤解のもとになりやすい
(3) 勝手に納得しないこと
(4) 相手はわかっているはずだと思いこまないこと

 生きるとは、時々刻々に変化する自分の心身を時々刻々に変化する環境に適応させていく、とも言えます。事実をそのまま受け入れ、変化する自己と環境を楽しむこと。
 もし、自分一人の力でできない場合は、周りの人に相談してください。それでも、不安や抑うつ状態が長く続いたり、体調に変化がある場合は、心療内科を受診してください。以前にも書きましたが、「うつは心の風邪」と言われるほど、多くの人がかかり、治療をすることで治る病気です。カウンセリングや漢方も含めた薬の力を借りて、本来持っている適応力を強めていきましょう。