受験会場で“あがらない”ためには?

...
〈Vol. 18〉 「急性ストレス反応」に似た受験生のストレス
受験会場で“あがらない”ためには?

 受験は時に「戦争」などと形容されるほど激しく、受験生にとって大きなプレッシャーとなるものです。そんな中で、自分の力を出せるか出せないかは大きな鍵。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに「受験会場で実力を出す方法」について伺いました。

 12月は受験生にとっては追い込みモードへと転換を図る時期となり、「ここ一番という試験場であがらず、いつもの力を出せるようにするにはどうすれば良いか」という質問が、受験生の親から発せられます。
 そこで、“あがる”ということを考えてみましょう。その根本には“不安”があると考えます。学力面での不安、また「試験前夜に眠れなかったら」「風邪をひいてしまったら」「大雪だったらどうしよう」という不安。そうした不安にさいなまれ続けて余裕を失う上に、初めての試験場で大勢の受験生に囲まれるのですから、不安がピークに達するのは当然です。一方で合格への焦燥が増す…。それらが複合すると、受験生にとって強烈なストレスとなり、「急性ストレス反応」と呼ばれる病態に似た状態に陥ることがあります。ひどく“あがってしまった”状態で、動悸・手の震え・口渇(こうかつ)・吐き気・息苦しさ・集中困難・注意の狭まり・記憶の脱落などが出現します。これでは、とても試験には立ち向かえません。

■ 不安を軽減するさまざまな方法
 どうしたら“あがる”ことを防げるか?最も重要なことは不安を軽減することです。まず、学力に関する不安を和らげる方法として、

(1) 志望校の過去問題をできるだけたくさん解いて、傾向を頭に焼き付ける。実際の試験の際、親近感を抱き、リラックスして問題を解けるでしょう。
(2) 過去の模試などの成績で良かった時だけを思い、悪かったものは封印する。
(3) 試験直前まで勉強を続ける。勉強が最良の安定剤なのです。
(4) 自分が落ちた姿も合格した姿もどちらも想像しない。

 ほかに、友達を受験仲間と思い、不安を打ち明ける。宿泊は心地の良い宿にする。女性は月経に関する不安を婦人科医に相談するなども有効です。それでも心配ならば、受験1週間前から精神安定作用を持つ漢方薬を服用すること、また試験開始直前に肩の力を緩め、目を閉じて眉間の部分にしばし意識を集中させることをお勧めします。