知っているようで意外と知らないピルの種類と利用法
Vol.53
知っているようで意外と知らないピルの種類と利用法
正しい知識を持って正しく使うことが大切です
家族計画のため、また不幸な命を増やさないためにも避妊は大切ですね。でも、避妊は男性だけが行うものだと思っていませんか? 妊娠したとき、体に負担がかかるのは女性です。ピルについて知っておきましょう。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんにピルの基礎知識を教えてもらいました。
ピルとは、卵胞ホルモン(E)と黄体ホルモン(P)の人工合成薬のことで、服用すると、㈰排卵は抑制され、㈪子宮内膜は肥厚します。元々の役割は㈰を利用しての避妊効果です。含まれるPによって、ピルは2種に分けられます。
■2種・2タイプに分けられます
【第1世代】ノルエチステロンという効果の弱いPが使用され、それを補うためにEの容量が高めでした。しかし、Eの副作用と推定される血栓形成・乳がん・子宮頚がんの発生が増加したため、Eを50マイクログラム程度に減らす試みがなされました。Eが50マイクログラムのものを中容量ピル、それ未満の薬剤が低容量ピルと呼ばれます。
【第2世代】Pはノボルノゲストルを使用していますが、ニキビ・多毛症・肥満・気分の落ち込み・イライラなどの男性化症状や、月経前障害的な副作用が無視できない場合が増加しました。このため、第2世代も改良され、Pを経時的に増減するやり方(Eはほぼ一定)が開発されたのです。低容量ピルのうちでも、この仲間が現在日本の主流となっています。
さらに、服用方式によって2タイプに分けられます(どちらも月経周期1〜2日から服用開始)。1つは1日1錠服用を28日周期(休薬期間なし)で繰り返し、もう1つは1日1錠を21日間服用し7日間休薬期間をはさみます。28日タイプでは最後の7日間の錠剤は偽薬(実効成分ゼロ)なので、両者のホルモンパターンは変わらず、服用21日を過ぎ、数日後に消退出血があります。
避妊以外にも、ピルの利用法があります。㈰月経移動=旅行、受験などから月経を外したいとき。1カ月前の月経開始1〜2日目から12日間程度服用し、予定行事の前に出血を終わらせます。㈪月経痛軽減=避妊の場合と同様に服用します。
また、緊急避妊措置として、中容量ピルの一時的な大量服用法があります。性交渉後72時間以内に4錠を2回に分けて服用する方法です。
なお、ピルの連続服用期間は2年以内にすべきです。