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お腹が痛い! そんなとき考えられる疾患とは

vol.56 お腹が痛い! そんなとき考えられる疾患とは おへそから下が痛むなら...

vol.56
お腹が痛い! そんなとき考えられる疾患とは
おへそから下が痛むなら、男性は外科、女性は婦人科を

 日常生活の中でも“お腹が痛い”、という訴えを耳にすることは多いですね。でも、その場所や痛み方によって、原因や治療は随分変わるようです。どんな痛みのとき、どんな疾患が考えられるのか、宇都宮市大寛の「うえの医院」院長・上野裕さんに伺いました。


 「お腹が痛む」と来院される方は多く、ほとんどの場合“お腹”とは、おへそから下の部分を念頭においての訴えです。医学的には「下腹部痛」と表現されます。今回は、この症状の原因となる代表的な疾患について取り上げます。
 下腹部痛には、㈰内臓痛=内部に空洞のある臓器(腸や膀胱など)のけいれん的動きや過拡張すること、内容の詰まった臓器の脹れなどが原因。鈍い、あるいはキリキリと絞られるような痛みとして感じる。㈪体性痛=腹膜の炎症や腸間膜・卵巣などの血流障害などが原因で起こる、突き刺すような鋭い痛み、の2種類があります。

■痛みの原因を知ることが先決
 ㈰に該当する主な疾患を挙げます。まずは細菌・ウイルスによる腸炎で、下痢・吐き気・発熱・頭痛を伴うことが多い、いわゆる“胃腸の風邪”です。次いで、過剰な腸内ガスや便の滞留が原因となる「機能性腸膨満」。緩下剤や漢方製剤で対処します。
 3つ目は虫垂炎で、みぞおちの痛みで始まり、やがて右下腹部に部位が移動します。早期であれば切らずに済みます。尿路結石によるものも忘れてはなりません。耐えられないようなキリキリとした痛みで、大腿内側に放散する痛みと血尿が特徴と言えます。
 女性では、子宮・卵巣・卵管周囲・膀胱の炎症も痛みの原因となります。当然、抗生剤治療が施されます。
 次に㈪に当てはまる疾患について。この病態は緊急性が高いものがほとんどです。腹腔臓器の炎症が腹膜にまで及んだ状態、すなわち腹膜炎・腸内ガス排出が停止した腸閉塞、まれですが腸間膜血栓症などがあります。また婦人科的には、卵巣のう腫がねじれてしまった茎捻転、卵管妊娠の破綻に伴う腹腔内出血、が頻度の高いものです。
 症状の発生原因を早期に的確につかむことの大切さは論を待ちませんが、下腹部痛に関しては、男性では外科を、女性では婦人科を初めに訪れるのが最善でしょう。最も効率良く原因にたどり着けるからです。