自己管理する能力を身につけさせる
| 井上初代のちょっとからくちTALK 自己管理する能力を身につけさせる 日本では... |
井上初代のちょっとからくちTALK
自己管理する能力を身につけさせる
日本では子どもが大人になったとき、「自分の生活は自分で計画し、自分流に管理する」という、外国ではごく当たり前のことが、欠落していると言われてきました。それはその観点で自主自立の生活の基盤が育てられてこなかったからだというのです。そこで改めて、その目で発達をみると、5歳児は自主自立が芽ばえ、育つ好機であることがわかります。
5歳児のころの子どもは、「みずから計画し、実行しそれを完成させる」を経験することに魅力を感じ、意欲的にとりくみます。その積み重ねの結果が貴重な経験として生きて育っていくのだと考えます。
ある幼稚園では、この経験の積み重ねを実践する試みをしています。例えば5歳児の10月ころから、「おべんとうの食前準備、食事、食後の片付け」の約1時間を、子どもたちだけで計画・実行・完成させています。
実際にはこの日の役割を持った子どもが、今日の日程をこなします。当番はほかの子ども同様好きな遊びを11時からしていますが、全員集まって食事する11時40分までには、各自当番のペースでころ合いを見計らって遊びを止め食前の準備を整えます。この40分内の時間の使い方は各当番の自由にまかされています。準備内容はわかっているので、ゆっくり丁寧に支度をしたい子は早い時間から、手順よく手早く整えられると思う子は遊び時間を十分とります。先生は完全に子どもにまかせて見守ります。子どもがうまくいかずにとまどっても、自分で完成させるのを待ちます。
かずおは、今日の当番ですが、好きな遊びを中途でやめられず遊んでいて、あわてて当番の仕事にかかりました。時すでに遅く、準備が終わらないうちに全員が食事に集まってしまいました。グループの子はかずおの状況を察知し、作業がはかどるように協力しました。かずおは、『協力ありがとう、迷惑かけてごめん』という態度で大いに反省したようです。次の当番のときは、ころ合いを見計らい役割を見事果たしていました。
また別の幼稚園では卒園時の持ち物の整理や使ったロッカーの清掃を、先生が指導するのではなく、3日間のうちに各自で自分流に整理整とんしたり、家へ持ち帰るものを選ぶなど、計画をたてて実行しました。子どもは目標や目的がはっきりしているので、期待通りのよい経験だったといいます。
家庭でもこうした場面はたくさんありますが、親は子どもがこの点で未成熟なのを気付かなかったり、その未成熟が親自身が安易に手を貸した結果と気付かない親もいます。子どものやろうとする意欲を生かして、自己管理能力の貴重な経験を十分させてあげていただきたいと思います。













