お金を合理的・計画的に使える子どもに

井上初代のちょっとからくちTALK お金を合理的・計画的に使える子どもに  ある...

井上初代のちょっとからくちTALK
お金を合理的・計画的に使える子どもに

 ある研究会で金銭教育のあり方が話題になりました。そこでの問題の中心はY男の例でした。
 Y男は変身ごっこのグッズや自分のお気に入りカードの当たりクジを目ざしてそれらを買いつづけます。他人には同じようなグッズでありカードにみえますがY男は新しさがわかって次々と購入をねだり、要求します。母親はたび重なる要求を一応拒みますが、Y男に甘い点をみやぶられ、ねばり負けでつい買い与えてしまいます。甘さとは、母親が「この位の金額なら…」と思うその点を見すかされてしまうのです。Y男は、はじめは満足して遊びますがすぐ次へと興味を移します。視点をかえてみると、Y男は遊びをおもしろくしたいからおもちゃを買うのではなく、次々と買うこと、そのことに興味があるようにみえます。
 しかしこの例は多くの子どもにみられる傾向です。金銭教育の目的は、大人になって金銭をうまく管理できるようにすることで、自立の準備として大切な課題です。

金銭教育の智恵を身につける

 金銭教育というとアメリカでのリリーの例を思い浮かべます。七歳のリリーは間もなく誕生日を迎えます。贈り物が楽しみですが、希望の品は思う以上に高価なものでした。そこで食事の準備や後片付け、芝生の手入れの手伝いを母親に申し入れ、労働をして足りないお金の分をかせぐのだと懸命でした。この考え方は、アメリカではごく一般的なようです。この様子をみて、アメリカの子は日本の子と比べて自立心が早くめばえるのだと思ったものです。
 日本では、食事の準備はいくら、お使いはいくらとお金の計算ばかりさせると勘定高い子にしてしまうので、金銭ではなく、親の愛情をはげましの意味で与えるとする考え方をします。
 しかし金銭教育の立場からいうと、アメリカでの考え方は論点がはっきり子どもに分かり、労働と金銭関係の観点も明確です。アメリカ式の考え方を日本式の中にとりいれて、金銭教育をもう一度考えてみるのも良い方法と思います。
 Y男の解決策を考える過程で、おこづかいが問題になりました。おこづかいは、はじめは無計画に買ってお金を使い果たしたり、親からみるとつまらない品を買うなど、文句をつけたくなります。しかしこの時点では子どもにまかせるようにします。失敗をくり返すうちに物と金銭の価値判断をしたり、何回かがまんをしてためるとより高価なものが買える経験をします。このようにおこづかいは金銭教育の大切な教育の場といえます。幼い年齢から自分自身で考えて、合理的・計画的に金銭を使えるよう、親がアドバイスし続けることが必要なのです。