子どもの自立心を育てる“親のテクニック”
上野通子のちょっとからくちTALK
子どもの自立心を育てる“親のテクニック”
最近の親子をみていて思うことがあります。それは、子どもたちに「親のために自分がしっかりしなくては」「親に何かあったら自分が親の助けにならなければ」という気持ちが培っているのだろうか? ということです。
最近の子どもは、「親に面倒をみてもらうのが当たり前」と感覚で身につけていないでしょうか? 大人になっても、「いつまでも面倒見てもらうのが親孝行」と思っていないでしょうか?
もちろん、「子どもの面倒になるつもりはない」「子どもは自立してくれれば、それでいい」という親もたくさんいるでしょう。「面倒をみさせるために育てているのではない」という声もたくさん聞こえてきそうです。
結果はそれで良いでしょう。でも、子どもの成長過程での自立心や情操面ではどうでしょうか。お金も含め自分が面倒みてもらった親への“恩”。これを心に刻むことは人間として大切なことです。「その恩をいつかは返す」。その感情や愛情が、今の日本人に欠けてはいないでしょうか?
前回、「国や社会から受けた恩恵は、余裕ができたらいつかは社会に返す」という話を書きました。自分の親への恩は、それ以前の話ですね。
“頼られる”ってうれしい
あるお母さんから、「子どもが、自立心がなくて困っている」と相談を受けました。私は、子どもが親を全部頼り切るような子育てをすると、子どもの自立心が育たないと考えているので、「言葉のはしはしに、『私たちはあなたに期待しているのよ』『いつか体が弱くなったら面倒みてくれる?』『がんばって大きくなったら世話してね』など、押しつけにならない程度に子どもに伝えてみてはいかがですか」と言いました。
これは幼いころから、ちらちら見せるのが効果的です。そうすることで、子どもは小さいながらも、「親が自分を頼りにしてくれている。自分は頼られる存在だ」と思います。これは大きな自信であり、「がんばって勉強して、お父さんやお母さんの役に立ちたい」という気持ちにも繋がります。
あのお母さんは、子どもに言ってみたそうです。「お母さんが歳を取って歩けなくなったらおんぶして歩いてくれる?」って。そうしたら子どもは、「わかったよ。お母さんをおんぶして歩いてあげるよ。僕にまかせてよ」って、うれしそうに言ったそうです。
小さな子に自立心を育てる親の一つのテクニックとして、子ども自身が「自分は親に頼りにされている」「いつかは、弱くなった親を自分がしっかり面倒をみる」。そういう気持ちが、子どもを頼もしく育てることになると私は思うのです。