第11回 夏風邪
| 夏、ふつう10歳以下の小児に発症する代表的な感染症について紹介します。いずれも... |
夏、ふつう10歳以下の小児に発症する代表的な感染症について紹介します。いずれも特別の治療法はありませんが、ひきつけや無菌性髄膜炎で入院が必要なこともあります。今年の手足口病はその頻度が多いとも言われています。
[ プール熱 ]
プール熱は俗称で、正式には「咽頭結膜熱」です。原因はアデノウイルスの感染です。夏に、プールを介して感染が拡がることが多かったのでこの名前がついています。飛沫感染ですが、プールでの結膜や口からの感染も考えられています。
症状は、発熱、のどの痛みなどです。血液検査では細菌感染症との区別が困難なことがあります。しかし、アデノウイルス迅速診断検査で、適切に診断されるようになっています。発熱は3日〜5日、解熱後2日は隔離が必要です。
[ 手足口病 ]
手のひら、足の裏、口の中の発疹が特徴です。1週間程度で自然に治ります。コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなどが原因です。発疹の特徴は、中に水を持った小さな発疹です。口の発疹は、水疱が破れて、潰瘍状になることもあり、痛みもあります。皮膚の発疹は、手のひらと足の裏の発疹で、かゆみや痛みを伴わないのが普通です。複数のウイルスによって引き起こされるので、再びかかることがあります。
[ヘルパンギーナ ]
症状は発熱と咽頭の水疱です。コクサッキーウイルスやエコーウイルスの感染によります。原因ウイルスが1つでないので何度もかかることがあります。3日〜7日程度で治ります。しかし、のどがしみて、唾液を飲み込むのもつらくなることがあります。乳児は不機嫌、哺乳力低下、幼児は嚥下困難、頭痛や筋肉痛を伴います。3つの病気に共通しているのは、10歳以下の子どもが多く、幼児では哺乳力低下や嚥下困難により脱水を起こすことがあります。合併症として、熱性けいれん、また無菌性髄膜炎などの中枢神経系があります。有効なワクチンはありません。感染経路はウイルスの飛沫感染か、便に排泄されたウイルスの経口感染もあります。より確実な診断に、採血しての血清抗体価の測定がありますが、特別の場合しかやりません。














