渡辺文雄の食育ばなし


とちぎの食プロジェクト(うつのみや)
農林水産省「平成21年度食育先進地モデル実証事業」
渡辺文雄さんの食育コラムです
渡辺文雄さん
1929年宇都宮市生まれ。
1953年東京大学法学部卒業。同年農林省入省。水産庁長官を経て、農林水産事務次官就任。
1984年12月から2000年12月まで栃木県知事を務める。
知事退任後、(財)食品流通構造改善促進機構会長、(財)食生活情報サービスセンター理事長を経て、2008年からNPO法人青果物健康推進協会理事長。(財)栃木県国際交流協会顧問
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vol.14 “日本の食料自給率”は大丈夫か?


vol.14
“日本の食料自給率”は大丈夫か?
(バーチャルウォーター) 追補㈼

 日本が、世界中から大量の食料を輸入し、その輸送のために膨大な量の石油等を燃していることは、世界の環境に悪い影響を与えているとの批判があると前回指摘しました。
 この日本の食料の大量輸入には、ほかの観点からも問題の提起がなされています。それは水の問題です。大量の食料輸入を続けることは、食料の輸入そのものに加え、大量の水を輸出国から輸入国へ移動させていることでもあります。もともと農産物の生産には大量の水が必要です。この必要となる計算上の水の量を「バーチャルウォーター(仮想水)」と言うことにします。
 穀物の場合を例にとってバーチャルウォーターの量を計算する方式は、栽培農作物に必要な1日のかんがい水量×栽培日数を分子に、面積当たりの収量×歩留り率(全重量中の可食部分の重量)を分母に計算します。ちょっと難解かもしれません。要するにこの方式によるわが国の食料輸入量に必要なバーチャルウォーターの量を算出すると、1年間に640億kとなるのだそうで、国内の年間のかんがい用水使用量590億kとほぼ同程度の水が、食料の輸入によって日本の国内で使わずに済んでいることになるのだそうです。膨大な食料を輸入しているということは、食料の輸入そのものに加え、膨大な量の水を輸入していることでもあるという考え方です。
 日本が、日本国内の農地やかんがい用水を使用せず、食料を輸入し続けると、地球の耕地の砂漠化を進める結果になるとの批判にもつながってきます。半年ほど前の夜のNHKテレビの報道番組を見た人もいると思いますが、アメリカの内陸部の降雨量は少ないが地下水が豊富にある土地で、地下水を大量にくみ上げ、地上で大量のトウモロコシを作り、これを日本に輸出し続け、やがて地下水が枯渇し、農地が使えなくなると、農家はその農地を放棄し、ほかの土地に移り、また地下水をくみ上げ、穀物を作るということが繰り返されている現地リポートです。言ってみれば、日本が穀物の大量輸入を続けていることが、他国の農地の砂漠化を推進しているという現状の指摘でした。
 私もこのテレビの映像をみて、これで日本はいいのだろうか。もっと日本は真剣に国内で作られたものを利用し、食料の輸入は極力少なくする、食料の自給率を高める必要があるのではないかとしみじみ感じました。英国も日本同様食料自給率が40%台に落ちた時期がありましたが、その後改善に努め、今は70%台に回復しているそうです。この稿、わかりにくかったかも知れませんが、自給率の向上の必要性を少しでもくみ取って頂けたら幸いです。
 長い間下手な文章を読んで頂きありがとうございました。


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vol.13 “日本の食料自給率”は大丈夫か?


vol.13
“日本の食料自給率”は大丈夫か?
(フードマイレージ)
 追補㈵

 コラム延長のリクエストがありましたので、わが国の食料自給率の低さについて、別の視点から2つお話を追加したいと思います。日本の食料自給率の極端な低さ、逆に言えば大量の食料を世界各地で買い集め輸入している現在の姿を、環境上問題ありとして指摘する動きがあります。その1つが、「フードマイレージ論」(?)です。
 フード(食料)マイル(距離の単位)という言葉は、今から15年くらい前に英国の理論家が提唱した運動に由来しています。具体的には、まず食料が生産されたところから消費されるところまで輸送されてくる距離に着目します。そして、その輸送のための燃料として消費されるエネルギーをできるだけ減らして、環境に与える負荷を軽くするために、なるべく近くでとれた食料を食べるべきだという考え方です。
 確かに、日本は今世界中から年間何千万トンもの穀物、食料を輸入していますが、それを運ぶために船が重油をたいて走ってくる間に放出されるCO2等の量は膨大なものがあると思います。なるべく近くでとれた食料を食べることによって、輸送にともなうエネルギー消費をできるだけ減らし、環境への負荷を軽減しようということは大切な視点だと思います。

“やっぱり地産地消が基本だ”
 日本では、農林水産政策研究所が、「日本の国別食料輸入量」にそれぞれの「輸出国から日本までの輸送距離」を乗じた数値を「フードマイレージ」として計算しています。その一部を紹介しますと、大豆や小麦などほとんどが外国生まれである“天ぷらうどん”の材料が、輸入先国から日本に運ばれてくるまでの距離と日数は、例えばうどんの材料の小麦はカナダのバンクーバから日本へ7900kmを14日かけて、同じくオーストラリアのフリーマントルからは8300kmを14日かけて、天ぷら油の原料となる大豆はアメリカのニューオリンズから1万7000kmを30日かけて、同じくブラジルのサントスからは1万9000kmを37日かけて、エビはインドネシアのスラバヤから5900kmを14日かけて、同じくタイのバンコクからは4500kmを14日かけて日本に運ばれてきます。
 この輸入相手国別の日本の食料輸入量×輸出国から日本までの輸送距離=フードマイレージt・km(トンキロメートル)は、発表されている平成12年の計算例では5002億t・kmになるのだそうです。韓国は1487億t・km、米国は1358億t・kmだそうです。日本のフードマイレージの大きさが目立ちます。
 言うまでもなくこの考え方は、なるべくその土地でできたものをその土地で食べようという、地産地消を推進していく大きな理由の一つだと言えると思います。


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vol.12 “日本の食料自給率”は大丈夫か?


vol.12
“日本の食料自給率”は大丈夫か?

 私の「食育ばなし」も、今回で最終話となります。食育の話をするとき、最後にはどうしても食料の自給率の問題にふれたくなります。私の小学5年ごろに米が自由に買えなくなり、米の配給が始まりました。自由になったのは昭和44年ごろだったと思います。今からわずか40年前の話です。
 今は飽食の時代、お金を出せば何でも食べられます。しかし、こんな時代がいつまで続くのだろうかと、配給制度でお腹が空いて困った時代を経験している私たちはつい考えてしまいます。皆さんは、日本の食料自給率の低さなどにはあまり関心が無いかもしれませんが、ちょっと我慢して読んでください。
 これからの世界の食料事情は大変心配です。その理由の一つは世界の人口増加です。現在62億人以上といわれる世界の人口は、先進国で人口減が話題になっていますが、発展途上国では人口の増加が続き、20数年後には世界の人口は80億人になります。今でも食料不足で飢えに苦しんでいる人が数億人います。人口が増えれば食料の需要は当然今より増えます。その上、現在世界の人口の40%、二十数億人を占める中国とインドが、急速に経済発展を続けています。日本がそうであったように、経済が発展すると、その国の食料消費量は増加します。加えて経済発展とともに食生活が豊かになり、畜産物の消費が増え、その畜産物を作るために飼料としての穀物の需要が急増します。これらのことも食料需給をタイトにします。
 さらに昨今では、石油不足対策としてバイオエタノールを作ろうということで、穀物を液体燃料にする動きも活発になってきました。人間が食べていた穀物が、食肉を作るための飼料や、自動車の燃料製造にも使われるようになってきました。
 一方、穀物を作る耕地は無限ではありません。むしろ世界の耕地面積は減少傾向にさえあります。私が昭和28年に農林省に入った時の日本の耕地面積は600万ha以上ありましたが、今はそれが450万haぐらいに減ってしまいました。この傾向は今も続いています。
 そういう中で日本の食料の自給率は、現在先進国中最低、しかも極端に低い40%にまで下がってしまいました。今から40年くらい前まではなんとか60%〜70%くらいあったのですが。
 日本人が日本国内でできる物を食べなくなると、日本の農業は当然に衰微します。昭和52年ころと記憶していますが、NHKのテレビドラマで、「食料輸入ゼロの日」というのがありました。主演男優は、私ならぬ、俳優の「渡辺文雄」氏でした。彼は大学の1年後輩で、彼も日本の食料問題を心配してましたが、数年前他界されました。
 以上、長い間読んで頂き、ありがとうございました。


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vol.11 “入院適齢期”を延ばそう


vol.11
“入院適齢期”を延ばそう

 「入院適齢期」、聞き慣れない言葉ですね。そのはずです。私が勝手に作った言葉ですから。
 私が心臓のバイパス手術で、入院した時のことです。病気、まして手術で入院したのは初めて、最初はじっとしていました。術後の回復を早めるためか、術後3日目から院内をできるだけ歩くようにと言われ、まだ痛みの残る胸を手で押さえながら廊下をよく歩きました。
 私の病室のあったフロアには10個の個室がありました。1号室が私、廊下を歩きながら見るとはなしに各病室の名札を見ていましたら、3号室はS氏、私の宇都宮中央小学校以来の親しい友人が入院していました。相互訪問で久しぶりに話し合ったりしました。彼はその後すっかり元気になり、私と定期的に一杯酌み交わしています。
 7号室はT氏、非常に珍しい名前なので、私が戦時中入校していた陸軍幼年学校の同期生に間違いないと思いましたが、看護婦さんにT氏の身元を聞くわけにもゆかず「7号室の患者さんは76歳か」と聞いたら「なぜあなたはT氏の年齢を知っているのか」と言われ、間違いなく同期のT君と判りました。彼は重い症状のようで、その時は面会できませんでした。

“入院適齢期”って?
 10部屋の入院患者のうち、私を含め3人が同級生で同じ年齢、とすると残りの7人の入院患者の中には、ほかにも私たちと同じ年齢の人がいるはずと思い、病院の医師に「この病院の入院患者で一番多いのは何歳の人か」と聞きましたら、76歳の人だとのことでした。私と同じ年齢、世代の人の入院患者が一番多い。言い換えれば、私の世代の入院適齢期は、76歳ということになります。
 話はそれだけなのですが、ふと考えました。私たち昭和3年組の世代は、今95万人います。ところが他の世代、例えば昭和22年生まれの人は213万人、23年生まれは225万人、24年生まれは227万人など、いわゆる団塊世代の人たちは、それぞれ私たちの世代の2倍です。
 今は76歳、あるいはその前後の人たちが大勢入院しているためもあって、病院は満員ですが、これから十数年後、団塊の人たちが入院適齢期(76歳)になった時の要入院患者は、単純計算でも今の倍くらいになる勘定です。入院することが必要になっても、病院はどこも満員で入院できないかもしれません。とすれば、団塊の人たちは自衛上自分たちの入院適齢期を、80歳あるいは85歳に延ばす必要があります。
 そのためには今からでも遅くはない。食生活に気をつけましょう。勉強、努力して入院適齢期を延ばしましょう。このことは前回の「健康寿命」を延ばすことにもつながるのではないでしょうか。


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vol.10 “健康寿命を延ばそう”


vol.10
“健康寿命を延ばそう”

 食生活を大切にするのは「寿命」を長くするためではなく、「健康寿命」を長くするためです。この「健康寿命」という言葉は、聞き慣れない言葉かもしれませんが、10年くらい前にWHO(国連の世界保健機関)が「健康で自立した生活を送ることが出来る年数」ということで提唱し始めた考え方です。
 FAO方式で計算した2003年の健康寿命の数字を見ますと、当時の日本人の平均寿命は男性78.4歳、女性85.2歳に対し、健康寿命は男性72・3歳、女性77・7歳となっています。単に何歳まで生きるかという平均寿命と、この健康寿命の差は、男性6.1年、女性7・5年となります。すなわち、男性でいえば、平均の寿命は78.4歳でも、最後の6.1年は自立して生活を送ることができない年数ということになります。女性ではその年数は7・5年です。
 外国ではこの2つの寿命の差は、健康寿命の長い国順に男女平均オーストラリア6.3年、フランス6.2年、スエーデン6.5年、スペイン5.9年で、日本よりやや短いようにも思えます。

“寿命長きをもって尊しとせず 健康寿命長きをもって尊しとす”
 この健康寿命の概念は、日本ではまだ広く使用されるようにはなっていませんが、日本の男性の平均寿命が世界のトップクラスだといっても、最後の6.1年が自立した生活が送れない状態(場合によっては寝たきり)だというのでは悲しいではありませんか。
 平均寿命を延ばすことも大切ですが、それとともに健康寿命を延ばし、両者の差を縮めたいものです。そのためにも今日からでも自分の食生活を大切にし、脳卒中や心臓病、がん等の生活習慣病にならないよう頑張りましょう。
 話は変わりますが、毎日の食生活の中味のほかに最近心配なことがもう一つあります。朝食を食べない人の増加、特に朝食抜きのお子さんの増加です。朝ご飯を食べた学童と朝食抜きの学童では、午前中のテストで差がつく、朝食を摂った学童の方が成績がよいという結果も報告されています。
 その訳は、人間の脳の栄養になるのはブドウ糖だけで、それは食事で補給されますが、昼間の食事で補給されたブドウ糖は夜のうちに消費されてしまい、朝食を摂ることで新たに脳に補給されるのだそうです。従って朝食を抜くと脳の中は栄養不足で脳が十分働かない。そのため午前中のテストでは、朝食を食べたか否かで差がついてしまうのだそうです。サラリーマンでも同様でしょう。
 大人の朝食抜きは2〜3割ですが、学童でも1割前後あるそうです。お母さんが多忙の故だと思いますが、何とか工夫してお子さんのために頑張って朝の欠食を無くしたいものです。


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vol.9 “ウエートコントロールのコツ、出ずるを計って、入るを制す”


vol.9
“ウエートコントロールのコツ、出ずるを計って、入るを制す”

 健康のためには、「何を」「どれくらい」食べたらよいのかということを、私が勉強したキッカケは、48歳の時に経験したギックリ腰でした。整形外科で診てもらいました。医者が言ったのは「ギックリ腰は老化現象だからなるのは仕方がない。でも再発は防げる。そのためには体重を減らしなさい。しかし、減らすために“運動しろ、酒を止めろ、油ものは減らせ”といっても仕事の関係で無理だろう。従って“運動しなくてもよい、酒を飲んでもよい、何を食べてもよ
い”、それで体重を減らす方法を教えよう。それは、食べるものを全部半分に減らすことだ」ということでした。そのころの私は、身長165cm、体重77kg(中太り)でしたが、その日の夜の会食から食事は全部半分残すようにしました。家でも全部半分に減らしました。
 2週間後には、1kg減、更にひと月に2kgずつ着実に減り出し、約5カ月で8kg以上の減量に成功しました。結局医者の教えは、『自分の毎日の行動にともなう消費カロリー以上のものを摂っては駄目、自分の1日の消費カロリーに見合う分だけ食べろ』ということだったのです。当たり前といえば当たり前ですが、私たちは自分が1日にどのくらいカロリーを消費するかなどということは判らないのが普通です。しかしそれを勉強し、それに見合った食事量にしなければならないことの大切さを改めて認識させられました。そこでやさしい栄養の本を買い、勉強し自分の1日の基礎代謝は約1200キロカロリーくらいで、これにゴルフなどの運動や生活行動の強弱に応じて消費カロリーが上乗せされる。一般的には男性の青壮年なら1日2400キロカロリー、70歳以上は1800キロカロリーくらいが消費されるそうです。
 一方食べる方は、トースト1枚120キロカロリー、ご飯中盛200キロカロリー等々いろいろ勉強しました。

“出ずるを計って、入るを制す”
 ウエートコントロールは“入るを計って(収入を考えて)、出ずる(支出)を制す”という家計の在り方とは逆です。例えば1日ゴルフをすると基礎代謝のほかに約400キロカロリーくらい消費するそうです。一方ビールは1本約200キロカロリー、今日はゴルフをしたからといってゴルフの後にビールを2本飲んだらパーです。3本飲めばかえって太るということになります。消費カロリーを考えて食事を制することが大切です。しかし、食事には楽しみも必要。そのオーバー分は、次の日の食事をちょっと減らせば良いでしょう。
 この年齢毎のおおよその消費カロリーやそれに見合った食べ物の量も「食事バランスガイド」に書いてあります。ぜひ勉強しましょう。自分の健康のためです。そして元気で長生きして、おいしいものをいつまでも食べられるようにしましょう。


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vol.8 “食事バランスガイドを勉強しよう”


vol.8
“食事バランスガイドを勉強しよう”

 今、厚生労働省と農林水産省が「食事バランスガイド」のPRに大変力を入れています。私の経験からしても、この「食事バランスガイド」ほどお役所が根気良くPRに努めているものは無かったと思います。前回9月12日号リビングマロニエ本紙にも「食事バランスガイド」の記事が載っていましたが、ご覧になりましたか。今号6面にも載っていますね。
 日本が食育を始めたころ、政府は「食生活指針」としてこれからの望ましい食生活のあり方を10項目定めました。この指針には良いことが書いてあるのですが、具体的に何をどうしたらよいのかわからないという苦情が多く寄せられました。そこで、望ましい食生活として、「何を」「どれだけ」食べたら良いのかが一目で判るように、食事の目安を料理や食品のイラストなどで示す「ガイド」を作ったわけです。難しい作業だったようです。
 アメリカでも同じように食生活指針を作成してからしばらくして、たしか2000年の食生活指針(アメリカは、指針を5年ごとに改訂しています)を作成したときに「フードガイドピラミッド」を作成して、これによって具体的に食生活改善の指導を行うようになりました。日本も似たような経過をたどったわけです。ただ、日米で大きく違っているのは、アメリカはピラミッド型(正三角形型)であるのに対し、日本は独楽(コマ)型(逆三角形型)で、いずれもそれぞれよく考えて作られていると思います。

“食事バランスガイド”とは
 日本のはコマ型ですが、コマが安定して回転するためには、ごはん等の「主食」と、野菜等の「副菜」や、肉魚等の「主菜」、そして「牛乳・乳製品」や「果物」等を、毎日バランス良く食べる必要があるということで、イラストなどで、量も4つとか5つとか、また1つとはそれぞれどのくらいかを、分かり易く絵で示してあります。そして前提としてこのガイドは、1日2200キロカロリー±200キロカロリーくらいを必要とする普通の大人のためのものとして作られています。
 しかし皆さんは、このコマの「ガイド」を見てすぐ頭に入ったでしょうか。多少慣れている私でも理解するのに時間がかかりました。根気よく勉強する必要がありそうです。この「ガイド」を見ながら、自分はどのような食生活を送るべきかを考えるとき、皆さんすぐお気付きのように、最初に自分は1日にどれだけカロリーを消費しているのだろうか、2番目には、どういう運動をしたら何カロリー消費するのだろうか、3番目には、これを食べたら何カロリー入るのだろうかという食材ごとのカロリー等が知りたいと思うでしょう。次回は私がある必要に迫られて、その勉強をした経験をお話しましょう。


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vol.7 “メタボリックシンドローム”の登場


vol.7
“メタボリックシンドローム”の登場

 日本が世界一の長寿国(昭和52年)となってから、30年の間に次第に日本人の食生活の良さが崩れ出しました。P・F・Cのバランスの良さが、F(脂肪)の増え過ぎと、C(澱粉)の減り過ぎで崩れ、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の摂取比率も次第に動物性にかたより過ぎ、野菜の消費も減少し、いろいろと健康上の問題が指摘されるようになりました。
 その一つが太り過ぎとそれに伴う病気の増加です。アメリカが1980年に食育を始めた時の状況に日本も似てきました。
 「メタボリックシンドローム」というそれまでは聞いたこともない言葉が新聞にも載るようになりました。内臓脂肪型症候群とでもいうのでしょうか。内臓に脂肪がつく肥満に基づくいろいろな病気のことをいうようです。内臓脂肪型肥満になると高血圧、高血糖、脂質異常を引き起こし、これを放置し続けると、脳卒中、心疾患(狭心症や心筋梗塞等)、糖尿病合併症(人口透析・失明)等へと進展するそうです。そうなっては大変です。
 私がこのメタボリックシンドロームの話を厚生労働省の関係者から初めて説明されたのは、平成17年当初、当時同省と農林水産省が共同で作成した食事バランスガイド”が発表される前後でした。今でこそ子どもまでメタボ、メタボと口にしますが、当時は一体何のことかと思ったものです。
 それでは日本人におけるメタボリックシンドロームの診断基準はどうなっているのでしょうか。言いかえれば日本人のメタボ該当者とは、㈰腹部肥満度 ウエスト周囲径が男性85cm、女性90cm以上㈪中性脂肪 150mg以上かつ/またはHDLコレステロール40mg未満㈫血圧 上が130以上かつ/または下が85以上㈬空腹時血糖値 110mg以上の四つの条件のうち㈰に該当する人で、さらに㈪〜㈬のうちの2項目以上に該当する人とされています。

私の経験ばなし
 私は平成18年3月に狭心症のため、心臓のバイパス手術(心臓に栄養を送る血管がつまったため、そのバイパスを作る手術)をしました。ある病院の  人間ドックで血糖値が高いから精密検査を受けるよう言われ、病院に行き精密検査の結果、典型的な狭心症で、即手術の要ありとそのまま入院、足から血管を3本とり、つまった心臓の血管のバイパスを作る手術をしました。お陰で手術は成功、今は健康体で、正に九死に一生を得ました。
 その時の人間ドックのデータは、腹囲98cm、血圧72〜134、血糖値147、HDL51、中性脂肪172で今にして思えば典型的なメタボでした。
 皆さまもご自分の健康のためです。人間ドックや健康診断を受けた時の結果表を良く見て、自分がメタボか否かを判断したらいかがでしょうか。 


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vol.6 日本型食生活の良さが、崩れ出した


vol.6
日本型食生活の良さが、崩れ出した

 私の子どものころ、あるいはそれよりずっと以前から、日本の食生活はほかの先進国に比べてかなり貧しかったようです。当時はお米でカロリーの大部分を摂り、脂肪は非常に少なく、P(たんぱく質)・F(脂肪)・C(澱粉)バランスは澱粉に大きく偏っていました。摂取しているたんぱく質も、当時は大豆とかお米から摂る植物性たんぱく質ばかりで、動物性たんぱく質は極めて少なかった。
 このような食事のために、今から約100年前は、世界の先進各国の平均寿命が軒並み50歳を超え、60歳に近かったのに、日本は40歳に満たなかった。日本人の平均寿命が男女共に50歳を超えたのは、なんと終戦後の昭和22年ころでした。ですから日本は平均寿命では約半世紀以上欧米に遅れていたことになります。
 しかし、その後の30年の間に日本人の食生活は非常に良くなり、昭和52年には日本は世界一の長寿国となりました。この30年の間に日本人の食生活は大きく変わったのです。澱粉の摂取量が程良く減り、一方脂肪の摂取量は程良く増え、その結果P・F・Cバランスは理想的になりました。摂取するたんぱく質の中身も、動物性たんぱく質が増え、植物性たんぱく質との割合が改善されました。このような食生活改善の結果、日本は世界一の長寿国になったのです。

日本人の食生活が危ない
 と、ここまでは良かったのですが、その次の30年の間に日本の食生活は悪い方へ急速に傾斜し始めました。今でも日本人の平均寿命は、女性は86歳を超え世界一です。男性も79歳を超えアイスランドに次ぎ世界第二位を誇っていますが、このまま日本の食生活の乱れが進むと、日本の長寿世界一の座はほかに譲らざるを得なくなりそうです。
 何がどう悪くなったのか。まずその一つは、P・F・Cバランスでいえば、澱粉の摂取量が減り過ぎ(Cの数値は63%が適当だったのが57%くらいにまで減少)、反面脂肪の摂取量が増加したのは良かったのですが、それが増え過ぎ(Fは25%くらいが適当だったのが30%を超える程に増加)、一方たんぱく質の中身も動物性たんぱく質の摂取が進み過ぎ、大豆など植物性たんぱく質の摂取が減り過ぎて、両者の割合は半々が良かったのが、動物性たんぱく質の方が多くなってしまいました。
 この傾向がこのまま進みますと心配だというので、政府は数年前から食育活動を始めました。食生活指針を作ったり、食育基本法も作り、さらに食事バランスガイドを作り、具体的に日本人の食生活を改善するための施策を次々に打ち出しました。最近では、子どもまで「メタボ、メタボ」と口にするようになりました。次からメタボ対策や食事バランスガイドの話をしたいと思います。


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vol.5 平均寿命と食事バランスの関係は?(その2)


vol.5
平均寿命と食事バランスの関係は?(その2)

 前回は、1日に摂るカロリーのうち、たんぱく質(P)から摂るカロリーが全体の12%くらい、脂肪(F)から摂るカロリーが25%くらい、澱粉(C)から摂るカロリーが63%くらいが日本人にとって一番良い食事バランスだと言いました。日本人が世界一長寿になったころの日本人のPFCバランスがこの比率だったのです。
 この話ちょっと難しいかなと思いましたが、これは大事なポイントの一つですから、ぜひ覚えておいてください。でも、私は栄養士ではないのだからPとかFとか、あるいは食物のカロリーがどれくらいか計算できないと思う人がたくさん居るでしょう。私だって正確な計算なんかできません。大体でいいんです。そのうち食事バランスガイドのお話をしますので、それでちょっと勉強して頂ければ大体わかるようになると思います。

世界一長寿になったもう一つの食事バランス
 今週はもう一つちょっと難しい話をします。日本人が世界一長寿であるもう一つの食生活上の理由は、日本人が摂っているたんぱく質の種類別の比率だと思います。
 たんぱく質は、人間の体を作るといわれている非常に大切な栄養素です。このたんぱく質には、ご承知のように大豆に代表される「植物性たんぱく質」と肉と魚のような「動物性たんぱく質」とがあります。日本人の食生活は、平均的にいうと摂取しているたんぱく質の半分が植物性たんぱく質で、半分が動物性たんぱく質なのです。しかも動物性たんぱく質のうち半分が肉、半分が魚なのです。もう一度いいますと、摂っているたんぱく質全体を100%とすると、全体の半分50%は大豆などの植物性たんぱく質、残りの50%のうち25%が肉、25%が魚ということです。動物性たんぱく質は肉と魚が半々ということですね。
 一方、外国人はどうかというと、国によっても多少違いますが、動物性たんぱく質が全体の70%前後、植物性たんぱく質が残りの30%前後、また動物性たんぱく質のうち大部分は肉で、魚は少ない。
 歴史的には、日本人の摂っているたんぱく質は植物性たんぱく質が多く、動物性たんぱく質は非常に少なかったのですが、戦後次第に動物性たんぱく質の摂取が増え、その結果植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の摂取比率が同じくらいになり、また、動物性たんぱく質のうち肉が半分、魚が半分という形になったのです。それが今から30年くらい前、日本人が世界一長寿になったころの日本人の食生活の姿でした。
 しかし、この摂取たんぱく質の種類別バランスも、前回お話したP・F・Cバランスと同様、近年乱れ出し、これからが大変心配なのです。


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vol.4 平均寿命と食事バランスの関係は?(その1)


vol.4
平均寿命と食事バランスの関係は?(その1)

 日本人の戦前(今から65年くらい前)の平均寿命は50歳以下で世界の平均寿命より低かった。日本人が世界の平均並みになったのは昭和30年ごろです。それから急速に伸びて、世界1位になったのはたしか昭和52年です。
 人間の寿命の長短は、その食事の良し悪しに左右されます。戦前の食事は澱粉(炭水化物)にかたよっていた。昭和12、13年、僕が小学2、3年のころの日本人の食事は、一日に摂っている総カロリーのうち、なんと83%は澱粉からとっていた。脂肪からはわずかに7%。タンパク質からは10%くらい。米だけでお腹をいっぱいにして満足していた。おかずがいかに少なかったかですね。
 今に比べれば、当時の食生活は栄養的には極めて貧しかった。

世界一長寿国になった昭和52年ごろが、理想的な食事バランス
 平均寿命が1位になった昭和52年ごろをみると、一日に摂っているカロリーのうち、澱粉から摂っているカロリーは63%に減少しました。一方、脂肪から摂っているカロリーは25%くらいに増え、タンパク質からは12%くらい。この三つの栄養素の比率が日本人にとって一番良かった。そのころ、日本人の平均寿命が世界一になったのです。この澱粉・脂肪・タンパク質の3つの摂取カロリーのバランスの良いことが大切なのです。近年、それが乱れてきた。
 一方、アメリカの食事はどうか。1日に摂っているカロリーのうち、なんと45%は脂肪から。澱粉からは41〜42%。残りがタンパク質から。いかに脂肪の摂取が多いか。その結果、肥満が多くなり心臓病が増えた。しかし、アメリカはそれじゃいけないというので、脂肪から摂るカロリーの比率を45%から30%台くらいに落とす。逆に澱粉から摂るカロリーは40%から50%〜60%に上げる食育政策を始めたのです。
 ところが日本ではどうか。30年くらい前、日本が世界一長命となった昭和52年ごろの食生活を仮に「日本型食生活」と名付けると、今それが乱れ始めたのです。今でも日本は世界一の長寿国ですが、これからが大変心配なのです。
 沖縄の男性は、今から十数年前までは日本一長命だったのが、今は全国25位に落ちてしまった。1位は長野県です。十数年のうちに、なぜ25位に落ちたのか。沖縄の男性は食生活が欧米化するスピードが速かったからだと思います。一日に摂るカロリーのうちタンパク質(プロテイン・P)から摂るカロリーの比率と、脂肪(ファット・F)から摂るカロリーの比率と、澱粉(カーボハイドレート・C)から摂るカロリーの比率が、悪くなってきたのだと思います。
 このP・F・Cのバランスは大変大切なポイントの一つなのです。


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vol.3 野菜が不足している日本人。がんが増えている日本人。


vol.3
野菜が不足している日本人。がんが増えている日本人。

 『野菜が不足している日本人。がんが増えている日本人』というタイトルのフォーラムを平成13年に東京で開催しました。日本で大腸がんが増えている時期でした。当時の国立がんセンター中央病院の院長・垣添忠生先生にも講演して頂きました。
 がんの原因の35%は食べ物なんだそうです。原因の30%はタバコ。皆タバコをやめたら30%がんが少なくなるかも。10%はウイルス。このようにがんの原因の65%は食事とタバコです。だから、がんも生活習慣病なんですね。がんと食べ物の関係の表(下図)を参考に見てください。(|)の数値が大きいほど、がんのリスクを減少させ、(+)の数値が大きいほど、がんのリスクを増加させます。タバコは+3。タバコは百害あって一利なしですね。私もタバコを止めて30年になります。
 塩は胃ガンにだけ+2。タバコ、酒もプラスが多い。私が知事をしているころ、栃木県は脳卒中が多いが、がんは比較的少ない方の県でした。でもなぜか胃がんだけは多かった。この表を見て納得しました。塩分の摂取が多いから胃がんも多かったんです。

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野菜はがんの予防に役立つ
 野菜や果物はがんになる危険性を下げると言われています。表によると、野菜や果物はほとんどのがんに対しマイナス。だから、たくさん食べましょう。野菜は1日350g以上食べると良いと言われています。この量は生野菜ならどんぶり3杯くらい。毎日この量を食べるのは大変なことですが、お浸しや煮物にすれば食べられるでしょう。果物は200g以上です。
 話は変わりますが、タンパク質については、食肉も結構ですが、おいしいから、力がつくからといって食べ過ぎないよう気を付けましょう。若いうちは肉を食べ、年配になったら魚をたくさん食べましょう。魚は不飽和脂肪酸が多く血液をサラサラにする機能があるそうです。動物性タンパク質だけでなく植物性タンパク質(大豆など)も必要ですね。


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vol.2 世界で食育が始まった


 世界の先進国で、国として国民の食生活について指導する、いわゆる「食育」を最初に始めたのは、たしかスウェーデンだったと思います。1970年ごろでした。アメリカが「食育」を始めたのは1980年(昭和55年)です。当時アメリカでは、肥満の人が増え、心臓病患者が増大。これを改善するために、政府として国民の食生活についての指導、教育を始めたのでした。
 政府が、国民の食生活についていろいろと指導を始めたと知ったときは、「そんなことまで政府がやるのか」と思ったものです。ところがそのアメリカの食生活の改善指針を見て驚きました。
その内容は
㈰いろいろな食物を食べよう
㈪脂肪、コレステロールの摂りすぎを避けよう
㈫十分な量の澱粉や食物繊維のある食物を食べよう
㈬塩や糖分の摂り過ぎを避けよう
㈭理想的な体重を維持しよう
などとあります。
 内容的には日本型の食事を手本にしようと言っているように思いました。そのころからでしょうか、アメリカで次々にスシバーとか、野菜の消費が増加し始めました。
 日本ではまだ「澱粉を減らしてタンパク質、肉を増やそう」という風潮があったころ、アメリカではその逆が始まっていたのです。
 食肉の脂肪は飽和脂肪、魚は不飽和脂肪で、不飽和脂肪には血液をサラサラにする機能があると言われ、漁村における脳梗塞などの発生は農村や都会に比べ少ないとも聞きました。
 海なし県に育った私が水産庁長官になりました。そこで魚の勉強をしました。「魚の脂はいいぞ」と言い始めました。イカ、タコ、エビなどはコレステロールが多いからと敬遠する人が多いけれど、『これらの魚にはタウリンというアミノ酸が入っていて、血圧を正常に保つ役割を果たしているので大いに食べよう』などと言って、スシ屋さんに喜ばれたこともあります。
 昭和52年ごろ、世界一の長寿国となり、アメリカのように国として「食育」をやる必要がなかった日本でしたが、その後20年〜30年の間に食生活の欧米化が進むにつれ、従来の日本型食生活の良さが失われ、「メタボ」に代表されるような日本人の健康上の問題が生じてきました。
 そこで、わが国も平成12年に食生活指針を作り、平成17年には食育基本法という法律までつくって、国民の食生活改善「食育」を大々的に始めたのです。
 私はこの間、食生活情報サービスセンターというところの理事長として、政府の仕事のお手伝いをしてきました。


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vol.1 ビタミンC神話で野菜の消費量が落ちた!


 もともと日本の栄養学には、魚と野菜がでてこなかったんです。栄養学は明治以後、外国からはいってきた学問。外国の人は、魚も野菜もあまり食べないでしょう。ですから外国からきた栄養学では、タンパク質と言ったら畜産物で、魚も野菜も出てこなかったんです。
 昔、米の配給があったころ、年間1人126kgの米が配給されていました。配給量が少ないため、子どものころ、私たちはお腹が空いて仕方がなかった。ところが今の人はその半分も米を食べない。米が余ってしまい、生産調整をしなくてはならなくなった。米の代わりにつくるものがあれば良いけど、ない。
 野菜の消費が増え野菜の増産をすれば、米の生産調整に役立つと思いました。昭和55年ごろのことです。実はそのころ、野菜の消費はどんどんさがっていた。

野菜の消費がなぜ減ったのか
 なぜ、急に野菜の消費が減ったのか—。
 それはサラダの消費が増えたから。一見矛盾しているようだけど、サラダの消費がどんどん増えるようになってから、野菜の消費量がぐんと減ったんです。そのころビタミンC神話みたいな話があって、『ビタミンCを取るには生野菜のサラダだ』と。今でも、サラダを食べていれば大丈夫と思っている人が多いでしょう。
 僕が農水省の局長になったとき、野菜の消費動向を調べたら、野菜の消費がものすごく減っていました。減ったのはなぜかと調べたら、ビタミンCを取ろうと生野菜のサラダがはやっていた。レタスやキャベツの生の葉を2、3枚食べて、野菜を食べている気になっている。それより昔ながらのお浸しがいい。ホウレンソウをゆでて食べる方がずっと野菜もビタミンCも取れる。レタスの生産量は増えたけど、野菜全体の消費量は少なくなった。

野菜の王様は?
 野菜の王様は何か知ってますか? カボチャとかサツマイモですよ。ビタミンCも繊維もたっぷり入っている。私は野菜のことをずいぶん調べました。結果、野菜を食べるのはビタミンCを取るためより、カルシウムや繊維を取るためだと思います。カルシウムの摂取量は今でも少ないといわれている。カルシウムが足りないのは、野菜を食べなくなったからだとも言えます。30年前は、カルシウムの必要量を100とするとその25%は野菜から取っていました。22%は牛乳(カルシウムの王様)から。次は豆から14%。魚の小骨からはたったの7%です。小松菜のお浸し1人前とコップ1杯の牛乳に含まれるカルシウムの量は同じ。
 「そう言う大切なことを教えない農林省は、けしからん」と思い、「ザ・ヤサイ」という本を作りPRに努めました。


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