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宇都宮市大寛町のうえの医院 上野 裕院長のコラムです。
県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶應義塾大学大学院で医学博士号を取得。国立栃木病院、横浜けいゆう病院、芳賀赤十字病院産婦人科部長を経て、1985年からうえの医院に勤務。
http://www.uenoiin.net

その月経痛、耐えているだけで大丈夫ですか?


今月から保険に適応する低容量ピルが発売に
その月経痛、耐えているだけで大丈夫ですか?
 女性の体の悩みとして、多く挙げられるものの一つに月経があります。月経痛、イライラ、吹き出物などに、うんざりしている人も多いのでは。今回は月経痛の原因や、月経痛に隠れている子宮内膜症について、宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに伺いました。
 初潮から月経痛(腹痛・腰痛)に悩まされている若年者の場合、子宮頚管が硬く狭いせいで月経血を子宮内から排出しにくいことが、原因の大半であると考えてよいでしょう。さらには、月経が始まったことに対する不安や、月経についての古くからの?ケガレ観?の悪影響が、思春期女性の痛みを増すように、私は感じます。
 このタイプの痛みには、漢方製剤や心理的カウンセリングが効果的です。また、妊娠・出産を経験すると症状は軽くなります。
■不妊症の原因にもなる子宮内膜症
 一方、年齢を重ねるに従って痛みが発生・増強する場合もあります。主たる原因は子宮内膜症です。子宮内面だけに存在しているはずの内膜組織が、骨盤内に進出・増殖していく疾患です。月経時の進出内膜出血による周辺臓器との癒着・部分的腫脹(卵巣チョコレートのう胞など)、進出内膜の脱落に由来する激しい痛みが主な症状です。
 この疾患は腫瘍ではなく、悪性化する例はごく希ですが、耐え難い痛みで女性を苦しめるだけではなく、前述した癒着が不妊症の原因になる場合があります。
 根本的治療法は、排卵・月経を止めることです。閉経が近い方には、人工的に閉経状態にする薬剤療法が勧められます。順調に排卵が続いている方には、ピルを用いて一定期間の無排卵をもたらす方法を選択する医師が多いようです。
 副作用を少なくする観点からすると、含有ホルモン量のより少ないピル(低容量ピル)を使用したいのですが、この6月までは低容量ピルには保険適応がありませんでした。けれども今月から、内膜症への保険適応のある低容量ピルが発売となり、ピル治療の安全性が高まりました。
 毎月繰り返される激しい痛みの影響は心にも及び、月経が近づくと不安・イライラ・憂うつ感が強まって、身体的な原因が主体である月経前の不快症状を、より深刻化させることもあります。我慢をせず、信頼できる専門医を受診してみてください。


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女性の天敵“冷房病”を防いで、今年の夏を乗り切りましょう


一日中、エアコンの効いた部屋にいるのに、なぜかイライラ……
女性の天敵“冷房病”を防いで、今年の夏を乗り切りましょう

 一昔前まで、暑いと言っても気温が30度を超えることは、あまりありませんでしたね。じわじわと押し寄せる温暖化の波。それと同時に会社や店舗の冷房がどんどん強くなっています。今回は女性の天敵とも言える“冷房病”の症状と対策について、宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに伺いました。

 さわやかな5月は瞬く間に過ぎ去り、梅雨を経て蒸し暑い夏へと確実に進んでいます。地球が今後しばらくは温暖化していくとの予想もありますが、これ以上暑くなるのではたまりませんね。
 温暖化を焦点とするサミット会議が涼しい洞爺湖畔で7月に開催されるようですが、酷暑の東京での方が温暖化の深刻さを首脳陣に痛感して頂けて、会議の真剣みが増すようにも思えます。
 さて、自宅ではまだかもしれませんが、職場・デパート・美容室・飲食店などでは、もう冷房を効かせているところが多いようです。けれども、「夏の暑さよりも冷房病のほうが怖い」という声を、特に女性から聞きます。冷房病とは正式な診断名ではありませんが、病態を的確にとらえた呼び名だと思います。

■ポイントは“体温の低下”
 冷房病の原因の1つめは、冷たい風を身に受けることによる体の低温化です。低温で冷やされると共に、人工的な風で体温を奪われるからです。“冷える”とは身体機能が低下することにほかなりません。
 ところで、「カゼは万病の素」と言われますが、「カゼ」とは咳やクシャミの風邪ではなく、流動気体としての風なのです。ですから冷房病には、頭痛・肩こり・鼻咽頭炎・腰痛・関節痛・腹痛・下痢・膀胱炎・頻尿・月経不順など、さまざまな症状が出現します。
 2つめの原因は、暑い屋外と冷たい室内の温度差によるものです。急激な温度変化の差が5度以上になった場合、ヒトの自律神経は混乱に陥り、いわゆる自律神経失調症状態となります。具体的症状として、食欲低下・イライラ・不眠・動悸・めまい・慢性疲労などです。対策として、
1)室温を下げすぎない
2)直接に風を受けないようにする
3)カーディガンやスカーフで肌を包む
4)適宜、温かいものを摂り、冷たいものは控える
5)ときどき体をストレッチする
6)夜はシャワーではなく入浴を
7)スイカ・メロンは体を冷やすので控える
 などが挙げられます。
 また、「冷房病にかかったな」と感じたら、早めに医療機関に相談してください。最も効果を発揮するのは漢方製剤です。
消化器症状→香蘇散・桂枝人参湯・真武湯
心理的症状→桂枝加竜骨牡蠣湯
痛み→当帰芍薬散・疎経活血湯
めまい→苓桂求甘湯
疲労→人参養栄湯
頻尿→附子製剤
 をお勧めします。
 体の不調は心理面にも大きく影響を及ぼしますから、できるだけ症状の軽いうちに医師に相談することが大切です。


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アンチエイジングに大切な5項目


vol.44
いつまでも若々しく、美しさを保つために大切なこと
アンチエイジングに大切な5項目を気に留めましょう

 一つ年を重ねるごとに、体の変化を感じている人も多いのでは。いつまでも若いつもりでいても、体は正直なもの。でも、できるだけ加齢に抵抗したいですよね。今回は宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんにアンチエイジングのために気を付けたいポイントを伺いました。

 だれしも若々しく美しい生活を続けたいものです。そうした思いを受け止めようとする医学=抗加齢(アンチエイジング)医学に基づき、加齢度について考えましょう。
㈰血管年齢
 動脈の弾性は抗加齢の重要ポイントです。頸動脈超音波検査法や眼底検査を用います。弾性の劣化=動脈硬化を防ぐには、経口物質に関して偏りを減らし、一定のものを摂りすぎないことにつきると思います。
㈪ホルモン年齢
 IGF—1(成長因子1)、DHEA(副腎皮質ホルモンの1種)の濃度で判断します。2つのホルモン値を保つ基本は、体をなるべく動かす・緊張した後には心のリラックスを図る、を忘れないことが大切です。
 女性の場合、50歳前後に始まる卵巣ホルモン補充が著しい効果をもたらしますが、副作用を考慮しての安全な投与期間について、専門医の間でも定説はありません。
 ただし、骨粗しょう症対策に用いられる卵巣ホルモンレセプター活性化剤(SERM)は長期服用が可能です。
※㈰㈪ともに良質な睡眠が加齢を防ぎます
㈫筋力年齢
 握力や坐位からの起きあがりテストを用います。筋力を保つには、30分程度の歩行・ストレッチ・受け身運動(体を丸めて転がり起きあがる、という行動をなるべくおおげさに繰り返す)などが有効です。美容にも良いでしょう。
㈬骨年齢(特に女性の場合)
 DXA(二重X線呼吸法)が一般的で、閉経前後からSERMとビタミンD3の服用が推奨されています。歩行能力を保つために重要です。
㈭脳神経年齢
 脳年齢計・WCSテストなどで認知力を見ます。どのように暮らしたら認知症になりにくいか? アルコールとタバコを少なめにし、目的をもった生活を送ることが基本だと思います。

 さて、美しさについてですが、前述した5項目に留意し、自然、そして人間が創り出した美しきものに心ときめくことこそ、自らをさらに美しくする魔法である、と私は考えます。


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不安にうち勝つには分析と開き直りが必要


Vol.43 新しい環境に対する思い。大きいのは不安? 期待?
不安にうち勝つには分析と開き直りが必要

 新年度が始まり、新しい環境で生活をスタートした人も多いのではないでしょうか。そんなとき、常につきまとうのが?不安?。この不安にどう対処すれば良いのか、宇都宮市大寛にあるうえの医院の院長・上野裕さんに伺いました。


 本人または家族の入学・就職・転職などで、4月は環境の変化が多い時期です。それに伴い、不安定な気持ちになる人も当然に増えると考えられます。
 「不安定に陥らないためには(あるいはそうなってしまったら)、どのように対処すれば良いのか?」。これは毎日のように受ける質問です。
 対策の基本は、変化に伴う不安・心配を、避けるべき感情と認識しないで、抱いて当然のものと思い定めることです。程度の差こそあれ、だれでも心中が穏やかなわけではありません。変化の時というのは、だれにとっても不安な時なのです。そう思うだけで、?期待感?という、変化に伴うもう一方の感情が心を満たすのではないでしょうか。


■不安の原因と解決策を考える
 PTAの役員など、これから新しい環境に入る方で、不安でならないという方のために、少しアドバイスをします。
 まず、不安の原因が何であるのかを分析するべきです。原因が特定できたら、それについて自分で解決ができるかを検討し、できるのならばそれにそって努力する。もし、自分だけでは解決できないと感じられるなら、それを補う手段を講じます。それもなければ、自力で新環境に飛び込むだけです。
 栃木県人は内弁慶で新しさに臆病と言われますが、既成概念にとらわれない北海道人や、恐れずに新しい分野に向かっていく遠州人(静岡県西部/本田宗一郎が好例)を見習うのも、悪くはないと思います。
 次に、原因が特定できなかった場合。多くは新たな対人関係への漠然とした不安が原因のようです。そうした方に必要なのは、良い意味での開き直りです。例えば、大阪人のように見栄や立て前を減らした人付き合いをする。周囲の人間と?かりそめの役割を演じ合ってはいるが、役割は恒常的なものではない?と考え、しばらく演技を甘受してみるのも一つです。
 それでも、現状に耐えられなくなったら、心の医療機関に相談してください。


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よく寝たはずなのに、ついウトウト…。これって春のせい?


Vol.42 よく寝たはずなのに、ついウトウト…。これって春のせい?
日中の眠気・居眠りに病気が隠れていることも

 「春眠暁を覚えず」という言葉があるように、この季節は特に、日中も眠気が襲ってくるもの。でも、それは陽気だけの問題なのでしょうか? 宇都宮市大寛にあるうえの医院の院長・上野裕さんに、日中の眠気・居眠りの原因について伺いました。

 人の覚醒(かくせい)リズムは、朝から夕方までの活動モード、夕方から夜への休息モード、深夜から翌朝までの睡眠モードと大別できます。
 けれども、ストレスによる睡眠の劣化のためか、春の陽気のせいか、活動モードであるべき時間帯に覚醒状態を保てず、強い眠気が生じてウトウトしがちな方が増えたように思います。ところが、日中の眠気・傾眠が病気のために出現している場合もあるのです。昼間に眠気を感じることが多くなったら、医療機関に相談してください。

■考えられる3つの疾患とは—
 そうした疾患には「ナルコレプシー」があります。昼間の耐え難い眠気と居眠りが続き、居眠りは20分くらい続き覚醒後はスッキリしますが、また眠気が襲ってくる。大事な会議中、入学試験中、好物の食事中でも眠ります。さらに特徴的なのが、発作性の筋力低下・入眠時の金縛り状態・就寝中の恐ろしい幻覚、を訴える場合が多いことです。この疾患には、薬剤による治療が必要です。
 また、「反復性過眠症」も挙げられます。強い眠りに支配される期間が2〜3週間出現し、その時期が過ぎるとまったく症状は消失する、というサイクルを反復します。眠りの時期には一日中睡眠が続きますが、面白いことに食事と排泄は自発的に行えます。この疾患には、確立された治療法はありません。
 そして、もう一つ「突発性過眠症」が挙げられます。若者に多く、筋力低下・金縛り・幻覚はありません。生活環境に強い不満をもつ場合が多いので、心のストレスを緩和することから始め、軽めの抗うつ剤と漢方薬を服用していただきます。
 最後に、眠気・居眠りを改善する生活スタイルをアドバイスしましょう。ダラダラと夜更かしすることをやめ、休日でも起床時間を遅らせないことを基本とします。可能なら昼食後に10分〜20分間の仮眠を取る。食事では食塩を控え、栗・クルミ・ヤマイモを多めに食べるようにします。胃腸に問題がなければ、お茶は濃いめにした方が良いでしょう。


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思春期にかかりやすい心の病の特徴、そして家族の接し方は?


Vol.40 思春期にかかりやすい心の病の特徴、そして家族の接し方は?
認められたいという思いを満たしてやることが大切

 中・高生になると、親子の会話も少なくなりがち。だからこそ、心配や悩みの種が増えますね。思春期は難しい年ごろ。この時期特有の心の病の特徴や家族の対応の仕方について、うえの医院の院長・上野裕さんに伺いました。

 思春期は、誰にも訪れる激しい変化の時です。性が開花し、未知の世界と向き合わざるを得なくなる。心理的にも自分の存在・価値を友人や特別の異性に認めてもらいたい欲求(=自己愛)が高まり、不安定になりがちです。
 「自己愛はわがままの延長であり、自分への愛が他者に向かうように教育するべきだ」との意見もあります。ですが、現在の心理学では、人に認め・褒めてもらいたいという願望(自己愛)は自然なもので、そうした気持ちに上手く対処していけば、自己のイメージが安定し、社会を肯定的にとらえられるようになる、とする考えが主流です。

■不健全な自己愛が社会不適応の原因に
 問題は生育過程で自己愛が十分に満たされず、不健全な自己愛をもつようになったときです。この場合は、他者との関係を上手く築けないことが多くなります。特に思春期には、自己の価値を他者から低く見られまいとして、必要以上に自己顕示する人、逆に他者との関係を減らし、自分に閉じこもる人が増えます。
 そうした行動が極端になると、“不登校・引きこもり”など静かな反抗状態を続けたり、自己顕示のため刃傷沙汰に及ぶ例さえ出てきます。いえ、他者との関係を避けようとしている場合でも、根底には「世間は自分を認めてくれない」という欲求不満がたぎっていますので、それが爆発すると、激しい攻撃性反抗に豹変することもあるのです。
 健全な自己愛をもった思春期に到達するために重要なのは、「親から承認・賞賛を基本とした養育を受けること」、「周囲に尊敬に値する大人が存在すること」。この2つを私の尊敬する精神科医・コフートは挙げています。
 さて、社会を肯定的にとらえられない若者にどう対処したら良いかという点ですが、家族や周囲の人間が共感を持って接し、社会現象の多面性と奥行きの深さを辛抱強く語って、そのことを本人に理解させるしかありません。また、専門医への紹介が必要な場合もありますので、まずは相談してみてください。


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ストレスや不安がうつを生み、それがストレスになる悪循環を打破するには…


〈Vol.39〉 ストレスや不安がうつを生み、それがストレスになる悪循環を打破するには…
笑顔がもたらす効用で心を回復させましょう

 周りから見たら他愛もないことでも、本人にとってはひどく落ち込むこともありますね。その気持ちが長引いてしまうと、心が浮上できなくなってしまうことも…。そんなとき、どうしたら良いのか、うえの医院の院長・上野裕さんに伺いました。

 「なぜ、太陽は輝き続けているの? 心臓は鼓動を続けているの? 世界が終わりだというのに…」。1963年、米国のヒット曲の一節です。決して、終末を予言した超能力者の言葉ではありません。単に失恋の悲しみ・驚きを唄っているのです。失恋しただけで“世界の終わり”となる気持ちに共感が集まるのですから、人の心とはなんと大げさなところがあるのでしょう! そのため、心の不調が致命的になったり、心への治療に多くの専門医が苦労しているのだと、思います。


■“笑い”をつくることも必要

 とは言え、心は柔軟性も持ち合わせている。だからこそ、多くの災害・疾病・戦争などを経験しても、人類は歴史をつなげてこられたのでしょう。“鈍感力”や“忘れっぽさ”も柔軟性の一つかもしれません。
 ところが、現代日本においては、受け流せない、そして忘れがたいストレスにさらされる可能性が少なくありません。そして心の余裕が減り、“ストレスが不安やうつを生み、それがストレスになる”という悪循環に陥ってしまうのです。
 悪循環を改善する一つの方法として、“笑い”を考えてみましょう。哲学者・ベルグソンは“笑える”必要条件に 1.対象に必ず人間的なものを含む 2.冷静な理性が働いているときに限る 3.他者との連帯を感じられる状態にある、という3つを挙げています。
 うつ・不安状態とは、まさに三カ条を満たし得ない状態なのです。逆に、笑いが少なくなってきたら、積極的に笑うことで三カ条を満たせる心に戻せるのではないか、という発想も浮かびます。
 生理学的に言い換えると、楽しい時、気持ちが良い時に分泌されるドーパミンを、笑うことによって増やし、うつ・不安の改善を図る、ということになるでしょうか。
 具体的には、鏡に笑顔の自分を映す、楽しい漫画や映画を観る、などが思い浮かびます。そして、子どもたちの生き生きした笑顔を眺めることです。それでも笑顔が取り戻せないときは、心の専門医にご相談ください。


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受験する本人以上に募る不安や心配、どうしたら良い?


Vol.38 受験する本人以上に募る不安や心配、どうしたら良い?
感情的にならず、わが子を理性的に評価することが大切

 受験シーズンが近づき、子どものことで心が不安定になっている人もいるのでは。でも、いくら気を揉んだところで、受験するのは子ども。では親がしてやれることとは? うえの医院の院長・上野裕さんに親の心構えについて伺いました。

 子どもの学習態度や成績に関して、悩んでいる方も多いと思います。特に、「育児は母親が主役」という風潮が抜けない日本では、受験期が近づくと母親の心が不安定になる傾向にあるようです。
 母のイライラや不安を子どもは敏感に察知し、子どもの不安も増す可能性があります。子どもたちは「親の期待に応えたい」という気持ちを強く持っているからです。
 では、子どもの生活、特に学業について、親はどのように受け取り、介在していくべきなのでしょうか?

■心理療法を応用して心を静める
 子どものこととなると親は感情的になりがちですので、まず、子どもを理性的に評価する方向へ変換することが大切です。具体的には、心理療法での?認知療法?を応用します。
1.子どもがとった2、3の言動で、わが子を評価しない。「期末試験の前なのに彼女と長電話」という姿を見て、親はイライラしたりガッカリしたりすることがあります。息子は勉強のことを話している、あるいは勉強への集中力が高まるのを待っているのかもしれません。心を静め、極端な評価は避けるべきです
2.子どもの心を勝手に決めつけない。「母は子どもの心を読める」という幻想にふけり、自分の思いで子どもを規定してしまう方は、よく見受けられます。母子は別の人格であることを確認しなければなりません
3.子どもの長所を低く見ない。小さなテストの場合でも良い点数を取ったときには、言葉で賞賛を伝えることです
4.「こうでなければ」という自分の考えを、子どもに押しつけるのはやめる。「大学受験で苦しまずに済むから、有名大学附属校に入れたい」と思っても、大学選択時の可能性をつみ取ってしまうことにもなります。親の考えが子どもを幸福にするとは限らないのです
 最後に。多くの子どもは親が心配するほど、受験に関してヤワではありません。私がお子さんの受験に関し親から相談を受けた例をみても、子どもたちは自らの努力で結果を出しているのです。


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体の緊張と心の緊張が引き起こす「頭痛」について


〈Vol. 36〉 “頭痛持ち”の方、ストレスがたまっていませんか?
体の緊張と心の緊張が引き起こす「頭痛」について

 定期的に頭痛が起きる女性は多いもの。ただ、一度痛み出すと長く続く人、痛む前に兆候がある人など、さまざまですね。宇都宮市大寛町のうえの医院にも、頭痛で来院する人が多いようです。同院の院長・上野裕さんに、頭痛について教えて頂きました。

 頭痛にはさまざまな原因が考えられますが、外来を訪れる方の約7割は「緊張型頭痛」と呼ばれるタイプです。頭部・頸部周辺の筋緊張によって起こり、“締め付けられるような”痛みが、心身疲労時に多発します。一度発生すると、長く続く場合が多いようです。
 痛みは後頭部から側頭部にかけて両側性にみられ、肩こり・くびのこりを伴います。治療にはまず休養。さらに、消炎鎮痛剤の内服・塗布・湿布を行い、筋緊張が強ければ筋弛緩剤を使用し、心理面で不安・緊張があれば抗不安薬を加えることも必要です。また、ぬるめの湯にゆったり浸かるのも効果的です。ただし、強すぎる(あるいは不適切な所への)マッサージは、症状を悪化させる可能性があるので、ご注意ください。
 日常生活では1.くび・肩への負担を減らすよう、自分の体型に合った椅子・机・枕を専門家のアドバイスを参考にして選ぶ 2.精神的ストレス(心の緊張)をためないようにする 3.スポーツクラブなどで、後頭部筋肉の強化を図る などを心がけると良いでしょう。

■ 脈打つような痛みの片頭痛
 さて、しばしば見受けられる頭痛がもう一つあります。それは「片(へん)頭痛」です。典型的な症状は、数時間から数日間持続すること、吐き気・光や音に対する過敏を伴うこと、一側性の“ズキンズキンと脈打つような”痛みであること、などです。脳血管の過拡張が原因と考えられ、遺伝性があって、若い女性に発生することが多いようです。頭痛発生前に、視野欠損・視野黒点・四肢のしびれ感が生じる場合もあります。
 主な治療は、脳血管収縮作用をもつ薬剤によるもので、発作の予防にも使用できます。過量のアルコールやカフェイン摂取を避け、睡眠と休養を十分にとることも大切です。さらに、心理ストレスが痛みを誘発するという意見が多いのですが、私も同感です。
 このように、大きなストレスは体にも悪影響を及ぼします。体に異変が出る前に、専門医にご相談ください。

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子どもの成長にも影響を与える「産後うつ症」とは


〈Vol. 35〉 わが子はかわいい、だからこそ守りたい―その思いが生む不安と抑うつ
子どもの成長にも影響を与える「産後うつ症」とは

 初めての妊娠・出産は、母親の心を多少なりとも不安にさせるもの。けれど、ある程度の期間を過ぎても不安感が消えない場合もあるようです。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、新米ママが陥りやすい心の病について伺いました。

 母親の「わが子を守りたい、わが子は特別にかわいい」という気持ちは、妊娠中から徐々に育まれ、妊娠後期から出産後1カ月間では、ほとんど病的と言えるほどにまで高まります。そこから、分娩への危惧や出産後の発育に対する懸念が生じ、大部分の女性は多少の不安・抑うつを周産期に抱えるものです。
 しかし、出産を終えて数日を経過しても、不安や抑うつが軽快せず長引く場合は、「産後うつ症」と考えます。これは、気持ちの落ち込みや疲労感、イライラ感が産後数日間にだけ見られるマタニティー・ブルーとは、区別しなければなりません。
 一方、子どもは不快を感じたとき、安心を求めて母親に密着しようとする本能(愛着と言います)をもっています。ところが、うつ症の母親では、愛着に応えられず、子を安心させられない場面が多くなりがちです。それが度重なると、子も不安・抑うつ的に傾き、やがては心身両面での発育に問題が起こる可能性もあります。

■ 強迫神経症とも言える悩みも
 さて、産後うつ症は抑うつ(気力低下・倦怠感・憂うつ)が中心ですが、最近、特定の問題に関して不安が集中する「強迫神経症」とも呼ぶべき症状を訴える、育児中の女性からの相談が相次ぎました。
 例えば、「添い寝している子どもの呼吸状態が心配で、とても眠れない」「ガラス製ほ乳瓶が細かく割れ、破片を子どもに飲ませてしまうのではないか」などの訴えです。
 このような場合も広くは産後うつ症なのでしょうが、わが子を必死に守ろうとする母親の思いの強さ・深さのなせる技とも感じられ、私は「母親」という存在に頭が下がりました。
 抑うつ・強迫のどちらの場合でも、2つのことが大切です。一つは、周囲からの温かい援助。「育児は女の仕事」などは論外で、育児こそ男女共同参画を実践すべき時であると、私は考えます。もう一つは、心の専門医に相談することです。授乳中でも安心して服用できる薬剤もあります。

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読書離れが人間関係にもたらす弊害とは?


〈Vol. 34〉 読書離れが人間関係にもたらす弊害とは?
コミュニケーションに必要な他人への橋、自分への橋

 会話やコミュニケーションは、あらゆる人間関係の基本ですね。でも、最近ではコミュニケーション力の低い人が増えているようです。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、コミュニケーション力を上げる方法について伺いました

 他者とのコミュニケーションについて考えたとき、1998年度国際児童図書協議会に向けた、皇后さまの講演内容(本にもなっています)が思い浮かびました。
 講演の主旨は、“自分と周囲との間にかけるべき橋がうまくかからないと、人は孤立をし、安定性を失ってしまう”ことと、そうならないためには“自分の根っこをもつこと”が必要だ、というものです。そして“根っこをもつ”ためには“読書が大切”だと、ご自分の思い出を中心に述べられています。
 豊かな文化の継承者としての自分を確立するため、そしてコミュニケーションを広げるために、良質な書物や言葉に接することが必要なのです。
 ところが現代の日本では、読書を愛する人々は減り続けています。結果、“根っこ”がしっかり育っていない人が増え、他者に相対するときに心が不安定になる悩みが多くなったのではないでしょうか。また、読書量の減少に伴い、言葉をぞんざいに扱う風潮も強まっています。言葉の美的側面や文化の象徴としての側面を忘れたせいで、社会に潤いが減り、余計に他者との関係=コミュニケーションを築きにくい世相になっているのです。

■ 心の不足を補おうとする姿勢が大切
 こうした社会に悩む人たちを、一朝一夕に変えることは難しいかもしれません。しかし、何かを始めなくては。
 皇后さまは前述の講演で、自分自身へ橋を架けることが大切だとも述べられています。自分自身に橋をかけるとは、品位を保とうとする心(自尊)と慈しみの心(親愛)を、高めることではないでしょうか。
 そして、心に不足するものを、自然の妙や、人類が遺してきた書物・音楽・美術などで補う。その姿勢が、個人・社会を変革して行くこと、コミュニケーション力を上げることのきっかけになると、私は考えます。
 コミュニケーションは身近な人とうまく行かない状態が続くと、不安や抑うつなどの神経症に陥る場合もあります。そうなる前に、専門医にご相談ください。

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気質により攻撃性が高まることも “苦手な人”と一緒にいるのが怖い


〈Vol. 33〉 気質により攻撃性が高まることも
“苦手な人”と一緒にいるのが怖い

 周囲に「苦手だなぁ」と感じる人はいますか? その人とはどう接していますか? 誰にでもある人間関係の悩みですが、ひどくなると心身に悪影響を及ぼすこともあるそう。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、特定者恐怖症とはどんなものかを伺いました。

 職場、学校、近所、母親仲間などの小社会に、特定の“苦手な人”が誰にでもいるでしょう。その人が近くにいるだけで嫌悪感に襲われ、ひどい場合には体の震え・吐き気・めまい・動悸・悪寒といった身体症状まで出現することもあります。さらには苦手な人への攻撃性が極端に高まって、傷害事件という悲劇を巻き起こすことさえある。特定者恐怖症とも呼べる状態ですが、なぜそうなるのか、理由と改善法を考えてみましょう。
 クロニンジャー博士のパーソナリティー形成理論によると、人には生物学的・遺伝的に、新寄性追求(心のアクセルと呼ばれる好奇心や衝動など)・損害回避(心のブレーキ。心配性や怖がり)・報酬依存(人情)の3つの気質があると言います。特定者への恐怖とは、特定の人から批判・非難・不快な態度を向けられたことへの過剰反応が激しい損害回避行動を誘発し、さらなる批判・非難・不快な態度を回避しようとする心の動きです。しかし、現実には特定者を完全に回避することはできないため、心に大きな不安と絶望が生じ、心身に恐怖症状が出現するのです。特に報酬依存気質が強いタイプは、他者を信頼したい気持ちがおう盛なので、症状は重くなりがちです。
 また、苦手な人への攻撃性が高まるのは、新寄性追求気質が強いタイプの場合です。このタイプは衝動的になりやすく、強い恐怖が異常な攻撃を誘発してしまう確率が高いと推定されます。

■ “鈍感力”も改善のカギに
 改善法としては、

1.じゃんけんの法則(=すべてに優位に立てるものはない)で社会は進む
2.悪い相性は人生の苦味料である
3.苦手な人は決して重要な他者ではない

の3つを心に刻んでください。医師・水島広子さんは「関係の改善よりも、相手の言動に鈍感になるべき」と言います。小泉前首相が“鈍感力”を強調したのも記憶に新しいところですね。それでも自分だけで改善できないことも多いと思うので、気軽に専門医に相談してください。

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いつも追われている感じがする、休日も仕事が気になってしまう


〈Vol. 32〉 いつも追われている感じがする、休日も仕事が気になってしまう
時間的焦りを感じる“タイプA”の行動パターン

 休日には一日中ゴロゴロとしていたいのに、家の用事や仕事が気になってできない。そんなまじめさが、心と体に負担をかけることも…。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんが、最近多い質問から“時間的に焦りを感じる症状”について、説明をしてくれました。

 このところ、自分を「強迫神経症では?」と心配し、相談に来る方が少なくありません。例えば、

質問1.いつも追われている感じがして、ゆったりした気分になれず、絶えず何かをしていないと気がすまない
質問2.仕事のことが思い浮かんで、休日でも緊張が解けない

などです。
 以前にもこのコラムで書きましたが、“強迫”とは、大丈夫と確信していても万に一つの危険を恐れる気持ち(強迫観念)と、恐れを解消するための儀式的行動(強迫行為)の2つを特徴としています。戸締まりを何度も何度も確認する、何時間も手を洗う、すべての窓の枚数を数えないと気が済まないなど。これらは程度がひどければ強迫神経症と言えます。

■ 職場の過大なノルマに追われ…
 今回の質問1.2.に関しては“タイプA”が当てはまります。タイプAとは、1970年代に米国の2人の心臓病学者が、性格と虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の相関を考察したことがきっかけで生まれた医学的用語です。特徴は、常に時間に切迫感をもち、できるだけたくさんのことを成し遂げようとするために、いつも時間が足りないという焦りを抱いている。絶え間ない時間との戦いが、人生から楽しみを奪い、心身に緊張を強いるのです。
 質問1.の方は、タイプAそのものではないでしょうか。常に時間に追われている悩みです。特に心身に疲れがある時こそ、切迫感は強まり、疲労と切迫感に交互に襲われる悪循環が形成されてしまうのです。
 質問2.の方の背景には、職場での過大なノルマがあるようです。ノルマは常に勤務者を圧迫し、そのためタイプA的な心情が強まってしまうのだと考えます。どちらも心を十分にリラックスできない状態になっているだけで、強迫神経症には当たらないでしょう。
 心身をリラックスする方法としては、ヨガや気功法を行う、流水バスにつかる、自律訓練法を試みるなど。心の専門医に相談することもお勧めします。

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通勤途中に起こる腹痛・頭痛…心のもち方で治るもの?


〈Vol. 31〉 通勤途中に起こる腹痛・頭痛…心のもち方で治るもの?
人間関係を円滑にしてストレスによる体調不良を防ぐ

 極度の緊張やストレスで、腹痛・頭痛を起こすなど体調が悪くなった経験のある人もいるのでは。職場や学校で受けるさまざまなストレス。特に人間関係の悩みは大きなストレスになると言います。そんなときどうしたら良いのか、うえの医院院長・上野裕さんに伺いました。

 出勤途中に急に腹痛を感じ、駅やコンビニのトイレに駆け込んだり、ひどいときにはそのまま仕事を休んでしまう。また、仕事のことを考えると頭痛に襲われる、憂うつになる、寝付けない、などの仕事上のストレスが主因となる訴えは、日常的に見受けられます。
 日本の職場は「一定の時間内にできるだけ成果を上げなければならない」という観念にとらわれているため、勤務時間やノルマで信じられない過酷さを求められ、激しいストレスにさらされている人が実に多い。
 もし、ストレスを感じていて、上記のような状態が現れたならば、信頼できる人(理想は職場内)に悩みを打ち明けるのが一番です。

■ 敵意を持たず、感謝の言葉を
 しかし、仕事そのものより職場での人間関係ストレスに悩んでいる人(特に女性)が多いことも、厚労省の調査でわかってきました。その対処法を考えましょう。
 職場内でストレス因となっている人間との対処法として、(1)相手の良い面を探そうとするなどのポジティブ対処 (2)強いて無視する・相手の弱みを探すなどのネガティブ対処 (3)成り行きにまかせるなどの先送り対処の3通りがあります。
 (1)が最良なのは言うまでもありませんが、実行できない場合が多いのが実状です。結果、(3)を用いて職場生活を過ごす人が多くなります。そして、不本意なところはほかの要素で穴埋めし、何とか破たんなく職場生活を過ごしているのです。
 けれど、どうしても(2)の対処をしてしまう人もいます。敵意を刺激されやすい人です。相手との関係で自分が主導権を握りたいのに果たせない。そこに大きな葛藤が生じ、さらなるストレスがたまり、心身に不調が現れる。自分が敵意を持ちやすいと感じたら、日ごろから感謝の言葉をはっきり出すこと、「理想に合う人間が少なすぎる」などの愚痴はやめること、を心がけましょう。
 そのほか、心の専門医を訪れることもお勧めします。話し合いの中で、変化へのきっかけが見つかるかもしれません。

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ガン・脳卒中・心疾患から身を守る9つの生活法


〈Vol. 30〉 ガン・脳卒中・心疾患から身を守る9つの生活法
年の始まりに考える“心と体の健康”

  “一年の計は元旦にあり”と言いますが、新たに計画したこと、目標はありますか? 昨年、健康に不安があった人もなかった人も、新年を機に健康への意識を高めてみませんか。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、心と体の健康を守る方法について伺いました。

 新しい年の始まりに際し、健康で長生きすることを考えるとき、心においては日本古来の考えを取り入れてみてはいかがでしょうか。新年を、原点に戻り新たに出発するときととらえる考えです。あたかも、落葉樹が晩秋に葉を落とし、新たにつぼみから出直すように、心に蓄積した負の残滓(ざんし)を捨て去り、希望の芽を育む始まりとする。この祖先からの知恵は、心において元気を失っている個人をよみがえらせるきっかけになるでしょう。
 しかし身体的には、年を経るごとに機能が衰え、死に近づくのは致し方ありません。我々のできることは衰える速度を可能な限り遅くすることです。

■ ストレスによる免疫力低下も
 現代の3大死因はガン・脳卒中・心疾患となっていますが、元気で長生きする基本はこれらにかかりにくい生活を送ることに尽きます。脳卒中・心疾患の大きな原因として動脈硬化が存在していることは言うまでもありません。その危険因子として、高血圧・高脂血症・喫煙・糖尿病・過酸化物・ストレスなどが挙げられています。一方、ガン発生原因として、口から入るもの…すなわち偏食・喫煙・アルコール・化学物質などが重視され、またストレスによる免疫力の低下も少なからず影響していることも明らかです。
 では3大死因から身を守る生活法とは? 米国国立老化研究所によると

1.野菜・果物を十分とる
2.定期的に運動する
3.禁煙
4.冷気に当たりすぎない

 私の考えも加えると、

5.ファストフードを控える
6.かかりつけ医を持つ
7.安眠のためには妥協しない
8.悩みがあれば相談する
9.自然に触れる機会を増やす、など。

 年末になると、多くの日本人が帰省渋滞を不快に思いながらも故郷を目指します。それは自分の原点である故郷で新たな年を迎えようとする思いがあるように感じます。これを機に、心も体も健やかな一年になるよう、意識してみてください。

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心療内科&婦人科医・上野裕先生にリビングマロニエ編集本部長が聞く 女性が気になる「更年期」と「うつ」


〈特別編〉 心療内科&婦人科医・上野裕先生にリビングマロニエ編集本部長が聞く
女性が気になる「更年期」と「うつ」

 女性の病を、心と体の両面から考える「こころと体の健康をサポート」。今回は特別編として、この1年で特に読者の関心が高かった「更年期障害」と「うつ病」について、うえの医院院長・上野裕さん(写真左)に本紙編集本部長・渡辺慶子(写真右)が聞きました。
更年期障害
渡辺 女性にとって、“いつまでも若々しくいたい”というのは共通の願いだと思います。でも40代くらいになると、“以前より体力がガクンと落ちた”と感じる人が多いようです。これは、女性としての体の機能が衰えてきたためですか?
上野 月経が順調で女性ホルモンが十分出ているなら、体は大丈夫。むしろ、心の疲れの方が問題だと思います。
渡辺 そういえば、子どもが思春期で難しい時期だったり、介護の不安があったり、40代はストレスが多いですね。
上野 本当はストレスの蓄積で心が疲れているのに、体の具合が悪いと思いこむ人が少なくありません。悩みを人に話すだけで心が軽くなるので、まず誰かに相談してほしいと思います。
渡辺 実際に更年期障害に悩む女性は、何歳くらいの方が多いのですか?
上野 50歳前後の女性が多く、閉経前の半年間、閉経後の半年間くらいが一番更年期の症状が現れる時期です。
渡辺 閉経前でも更年期障害と呼ぶんですね! どんな治療があるのですか?
上野 ほてりや手足の冷え、だるさ、寝汗、やる気の低下などが見られる方に、私はホルモン補充療法(HRT)を5年を限度に行います。主に使うのは、飲み薬や貼り薬です。また、どの女性も閉経後数年は子宮内膜がんなどのリスクがあるので、定期的に検査を受けることを勧めています。
渡辺 更年期障害を女性の終わり、と感じて悩む患者さんはいませんか?
上野 そういう悩みが原因で、症状が長びく人もいます。たとえ閉経しても女性であることは変わらない、ということを忘れないでほしいですね。

うつ病
渡辺 更年期障害がきっかけで、“うつ病”になる人も多いと聞きます。うつと気分が落ち込んでいるのとは、どう違うのでしょう。
上野 日常生活に大きな支障がでたら、病気だと思ってください。例えば出勤前にとても憂うつになって会社に行けない、2~3日間家事も何も手につかないなど。他人からは怠けているように見えても、本人はふがいなさで焦りと不安を感じ、常に心が安まらない状態なのです。
渡辺 うつにならないためには?
上野 思いどおりにならなくても自分を責めないこと、孤立していると思いこまず、親しい人に相談することです。
渡辺 最後に、女性がずっと元気で若々しくいる秘けつを教えてください。
上野 音楽や絵など、“一流のもの”にはパワーがあります。自分が一流と感じるものにふれ、力をもらっていれば元気でいられると思いますよ。

話を伺った「うえの医院」の外観。 緑の竹が心を和らげます

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“女性の尿もれ”のメカニズムと治療法


〈Vol. 29〉 心理的に不安定な状態から切迫性失禁になることも
“女性の尿もれ”のメカニズムと治療法

 最近、パンティライナーに尿もれをガードする専用品が発売されたり、テレビ番組でも取り上げられるなど、女性にとって身近な問題と言える“尿もれ”。人には言えない悩み“尿もれ”について、宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに聞きました。

 8月に行った「アンチエイジングセミナー」でも参加者から“知りたいこと”の一つに挙げられた尿失禁(尿もれ)。閉経まで十分に間のある女性でも悩んでいる方が多いようです。女性の尿道は太く短いので、男性よりも失禁しやすいのですが、もう少し詳しく触れてみましょう。
 尿失禁とは、咳やクシャミによって起こる腹圧性失禁と、尿意を催すと我慢できずにもれてしまう切迫性失禁の2つに分類されます。腹圧性失禁は、尿道を支える筋肉が老化や出産の影響で弛緩(しかん)することが主な原因と考えられ、第一の治療法は骨盤底筋訓練法で、薬剤療法は補助的なものに過ぎません。症状が強い場合、泌尿器科あるいは婦人科専門医による手術や、尿道を狭めるコラーゲン注入法を行います。

■ 尿意を感じると、我慢できない
 切迫性失禁については、過活動膀胱(ぼうこう)の一つの症状ととらえるのが最近の考え方です。過活動膀胱とは、尿意切迫感を中心とする病態で、頻尿・睡眠を中断させる尿意を伴うことが多く、その極端例を切迫性失禁とみています。すなわち、尿意を感じるやいなや我慢できずにもれてしまう場合が切迫性失禁なのです。脳・脊髄の異常、膀胱・尿道に関する異常によることもありますが、多くは原因が特定されない失禁です。心理的に不安定な状態におかれている方に、切迫性失禁を訴える例が多いように感じます。
 まず行うべき治療法は薬剤によるものです。膀胱の動きを抑制する抗コリン剤を3カ月間服用することで、約6割は改善がみられます。ただし、根本的解決には至りませんので、服用を続けなくてはなりません。
 そのほか、尿意を我慢することを訓練する方法もあります。薬剤を服用しながら、少しずつ排尿間隔を我慢して延ばしていくやり方です。水分やカフェインの過剰摂取をやめることが必要とする意見もあります。
 これらの治療法を行っても改善のないときは、精神心理的な側面からの診察をお勧めします。

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“やせたい願望”“ストレス”が引き起こす拒食や過食


〈Vol. 28〉 “やせたい願望”“ストレス”が引き起こす拒食や過食
思春期以降の若い女性に多い摂食障害

  “やせたい”や“食べたい”は多くの女性が持つ欲求。しかし、それが過度になると、食べることに対して異変が起きます。今、思春期の女性に多いという拒食や過食。そんな「摂食障害」について、宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに伺いました。

 思春期以降の若い女性に多い、摂食に関する異常を摂食障害と呼び、それは拒食タイプと過食タイプに分けられます。どちらも、第二次大戦後の欧米に増え、近年は日本でも普通に見られるようになってきました。
 拒食タイプとは、体重が標準より15%下回り、その原因が脂肪・糖分を極端に減らす、下剤の乱用・過度の運動など自己の意志によるものです。そして、肥満への恐怖を抱き、極めて低い理想体重を設定。無排卵が続くのが典型です。成因については、脳内セロトニンとの関連性を指摘する向きもありますが、摂食障害に対する素因をもつ人が精神心理的な負荷を受け、摂食中枢に異常が起こるため、と言われています。
 制限型拒食タイプ(過食を伴わない)の患者さんに接していると、決まってムンクの「思春期」に描かれた少女を思い出します。不安に満ち、思い詰めて未来を見すえるような表情。同様に彼女たちも、自分の未来に絶望的な不安を抱き、未来を恐れているように感じられるのです。若さゆえの不安・恐れ。それは具体的・日常的な物事に対するのではなく、直感的かつ内省的な性格からくるもの。こうした純粋拒食タイプには、未来を幅広く考えられるようなきっかけを提供するのが理想的です。

■ 多いのは過食を伴う摂食障害
 多くの拒食タイプは過食を伴うようになります。“やせ願望”と“摂食本能”との葛藤(かっとう)とも考えられますが、この段階になると薬剤による治療が有効な例が出てきます。
 現在に多く見受けられる摂食障害は、過食を主とするタイプです。この場合は、心的外傷や日常的なストレスが主因であることが多く、薬剤療法と精神心理療法の併用が効果的です。薬剤ではSSRI剤(抗うつ剤)がよく使用されます。また、集団で行う対人関係療法=グループ療法の中で、心の切り替えに気付くこともあります。 
 摂食障害は心の不調が体にも影響するので、心療内科を受診することをお勧めします。

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男女を問わず悩んでいる人が多い脱毛・薄毛


〈Vol. 27〉 心理的ストレスが新しい髪の成長を損なう
男女を問わず悩んでいる人が多い脱毛・薄毛

 このところ、男性だけでなく女性用の育毛剤や髪の毛にボリュームをもたせるウィッグのコマーシャルが目立つようになりました。現代人にとって大きな問題の脱毛・薄毛について、原因や対処法を宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに伺いました。

 脱毛・薄毛と言えば一般には男性の悩みと思われていますが、先日「アンチエイジングカレッジ」の講演で、女性にも同様の悩みを抱えている方が多いと知りました。
 男性に脱毛症が多い原因は、男性ホルモンが毛髪の成長を妨げるためと考えられており、加齢とともに頭頂部・前頭部を中心に髪が薄くなっていきます。
 一方、女性も男性の10分の1程度の男性ホルモンを分泌しており、閉経前後=更年期に女性ホルモンが激減すると男性ホルモン作用が現れ、毛髪に悪影響を与え始めます(女性壮年期脱毛症と呼びます)。
 頭皮全体にわたって抜け毛・細毛が増え地肌が見えるようになるのが女性型の特徴です。脱毛の進行には心理的ストレスの程度(更年期に心理的ストレスにさらされ易い)も大きく影響しています。心理的ストレスをうまく処理できないでいると、末梢循環に不調が起こり、他種類の身体症状を表すことがあります。もし、男性ホルモンの影響で頭皮の血液循環量が減った状態が続けば、抜けた髪を補う新たな髪の成長が損なわれ、薄毛を深刻化させます。

■ 男性は内服薬、女性には塗布薬
 男性型脱毛症の治療薬では、昨年12月に発売された内服薬「ファナステリド」(商品名・プロペシア)があります。男性ホルモンの暗躍を抑えることで効果を発揮させるもので、服用には医師による診察が必要です。
 女性に適応する内服用育毛剤は今のところなく、頭皮塗布剤が脱毛症対策の基本となります。その一つ、ミノキシジルには女性用もあります。頭皮血行を改善して育毛を促すのですが、血圧降下作用もあるため医師と相談しながら使用してください。生薬では、桂皮(けいひ)・生姜(しょうが)・薬用人参・センブリ入りの塗布薬が育毛効果が高いようです。食べ物では、ニンニク・トウガラシ・コショウ・レモンは毛髪に悪影響を与えるので、控えてください。
 また、男女とも心理的ストレスは脱毛・薄毛に影響してくるので、心療内科の受診を勧めます。

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ストレスが原因のさまざまな疾病


〈Vol. 26〉 社会生活上の人間関係が主な要因に
ストレスが原因のさまざまな疾病

  “こころと体の健康”というコラムのテーマに沿っていながら、これまで取り上げていなかった「ストレス」。なじみのある言葉だけに“病”と考えない人も多いのでは。今回はストレスが体に及ぼす影響について、宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに伺いました。

 精神心理的なストレスが、心に対してだけではなく体にも悪影響を及ぼすことは、よく知られる通りです。しかし、具体的にどんな症状となるのか、どのような疾病と関連するのか、疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
 生きるということは、安定した身体機能を維持することと、危険が迫ったときにその危険から身を守ること、この2つを満たし続けることです。現代においては、社会生活上での人間関係が、最多で深刻な危険因子=ストレスとなっていると考えられます。
 人が何かの危険にさらされたとき、するどく反応する交感神経(自律神経のひとつ)は、人間関係が不快だと認識したときにも同じく反応します。そうした状態が長く続くと、もう一つの自律神経・副交感神経(身体機能安定をはかるもの)との協調にほころびが生じ、「自律神経失調症」と呼ばれる病態に陥ることがあります。症状例として、疲れ・首や肩のこり・眼精疲労・頭痛・息苦しさ・のどの違和感・めまい・吐き気・下痢などが挙げられます。

■ 体だけでなく心理的なケアも
 またストレスは、免疫・内分泌代謝機能を乱し、多くの身体疾患を発生、悪化させる一因ともなります。高血圧症・慢性胃炎・気管支喘息・アレルギー性皮膚炎・腰痛症・神経性頻尿・顎関節症など、ストレスの影響が強い疾患は、心に対する診療をおろそかにしないために「心身症」と呼ばれる場合があります。同じ高血圧でも、病院で白衣を見ると血圧が上がるという人には、血圧を下げるだけではなく、心理的な安定を図る処方も必要だからです。
 では、ストレスの影響を受けにくくするには、どうしたらよいのでしょう。精神医学者・福西勇夫さんは、こう言います。

1.ストレスに積極的に立ち向かう
2.人生での満足度を高くする
3.周囲の人から強いサポートを受ける

 それでもストレスに負けていると感じたら、心療内科を受診してください。

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変化のある時期に起こる男性の更年期障害


〈Vol. 25〉 8つのチェック項目、思い当たるのはいくつありますか?
変化のある時期に起こる男性の更年期障害

 最近、ご主人の様子が変だと感じたことはありませんか? 女性なら年齢を考え、更年期障害で診察を受ける方も多いようですが、男性の更年期障害はまだ一般に認知されてはいないよう。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに男性の更年期障害について伺いました。

 最近、更年期障害に対する関心が高まり、男性の更年期にも注意が向きつつあるように感じます。加齢・ストレスなどによる男性ホルモン・副腎皮質ホルモンの低下を主因と考える研究者が多いようです。
 40代後半以降の男性が性欲・勃起力の低下を覚えるとき、以下のチェックをアメリカ・セントルイス大学のモーリー博士は勧めます。

1.元気がなくなってきた
2.集中力の低下
3.身長が低くなった
4.生きる喜びの低下
5.憂うつな感じがしやすい
6.歩く力の減退
7.眠気が出やすい
8.仕事の能率が上がらない。

の8つで、3つ以上あてはまる場合、更年期障害の恐れがあると言いいます。女性と違い、劇的に変化があるわけではなく、症状は神経症と似ていますが、これまで2日~3日で改善していた不調が長引いたり、性欲の低下が見られる場合は、男性更年期障害を疑ってもよいと考えます。

■ 夫婦の関係が快方への鍵
 更年期を迎える人の多くは、定年・進学や結婚のための子の独立などで夫婦間の環境に大きな変化の起きる時期に症状が出ます。換言すれば、夫婦が向き合う時間が増える時期です。妻側からは「今までは自分のペースで過ごせたのに、夫がずっと家にいるため、外出もままならない」という声も聞こえてきます。そんな折、夫が1~8に示した状態に陥っていたら、夫に対するうっとうしさが増し、ひどい場合は家庭内別居・熟年離婚への道をたどることも。
 そんな悲劇を防ぐには、まず結婚式当日を思い出すことです。その日、二人は永遠の愛を誓ったはず。そうです。結婚とは契約なのです。二人で積み重ねた時の重みをかみしめてください。そうすると、夫への接し方が変わってきます。そして、更年期障害について理解し、夫にやさしく診療を勧めるべきです。ホルモン補充・抗精神剤・漢方薬などによる治療を通じて心身にゆとりが生じ、2人の関係にも温かさが戻るはずです。

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心も体も重くなる梅雨のストレスを解消


〈Vol. 24〉 日本の暮らしを支えた独特の気候
心も体も重くなる梅雨のストレスを解消

 洗濯ものは乾かないし、家の中に湿気がこもり、臭いが気になる。外に出ると雨に濡れてぐちゃぐちゃ…。そんな嫌な季節を迎え、不快な思いが募っていませんか。宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、心が重くなりがちな梅雨の過ごし方を聞きました。

 灰色の雲から雨が落ちてくる日が続くと、知らず知らずに気分が沈み、体も重くなります。心の不調が悪化しやすい時期は2つあり、その一つが5月から6月にかけて。大型連休が過ぎてしまったせいもありますが、梅雨という独特な気候こそ主因だと感じます。心身の健康を保つには、この時期をどう過ごしたらよいか考えてみましょう。
 冬の日照不足による心身の不調を治療するために開発された光療法の原理から考えると、梅雨どきは努めて部屋を明るく保つこと、好みのハーブ類の芳香で部屋を満たすことも心を楽しくさせるでしょう。湿気は胃腸の動きを悪くしがちなので、炭水化物・脂質を減らし、薄味で消化のよいものを多くとり、お酒は醸造酒よりも蒸留酒をお勧めします。
 さらに、体を普段より清潔に保ち、女性は美容室、男性は理容室を多めに訪れることをお勧めします。すがすがしさは頭からという訳です。また、梅雨どきは思いのほか寒暖の差があるので、風邪にも注意が必要です。学生の方は、低下しがちな集中力を高めるため、できるだけ得意科目を優先して勉強してください。

■ 漢方薬で気の流れをスムーズに
 もし心が梅雨に寛容になれば、その独特の気候こそ水と緑に象徴される日本人の暮らしを支えてきたものだと思うゆとりも生まれます。しかし、体はすぐに梅雨というストレスに適応できるとは限りません。そんなときは漢方薬が役立ちます。気象ストレスと心身の相関については、中国医学が西洋医学を断然リードしており、湿気や沈む心が蕫気﨟の流れを阻害し、湿気の局所停滞が心身に不調を発生させると捉えます。その不調には、蕫気﨟の流れを順調にする理気薬(りきやく)と湿気の停滞を解消する化湿薬(かしつやく)を組み合わせて対処します。
 心の中で太陽に再会したいときには、モーツアルト「ピアノ・ソナタ15番」の第1楽章をお聴きください。無量の光に全身が染まるでしょう。それでも心が晴れないときには、心療内科を受診してください。

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子育ての終わりと更年期が重なる心の変調


〈Vol. 23〉 ホルモン療法と漢方薬で症状が改善
子育ての終わりと更年期が重なる心の変調

 男性が定年退職で「燃え尽き症候群」になるように、子どもを持つお母さんにとって“子育てを終えること”は大きな変化。この春、巣立つ子どもを見送ったお母さん、心や体に不調はありませんか? 宇都宮市大寛町のうえの医院院長・上野裕さんに、その対処法を伺いました。

大切に育ててきた子どもたちが進学・就職などで家を離れ、心に空洞を抱えて過ごしている人(特に女性)が少なくないと思います。こうした年代は、いわゆる更年期と重なってしまう場合が多々あります。家庭生活の変化が原因の心の変調…憂うつ感、イライラ、気力の低下、不安感などに、更年期の不快症状である肩こり、腰痛、頭痛、不眠、のぼせ、自汗などが加わると日常生活に大きな支障をきたします。

 48歳から52歳の間に閉経(排卵の停止)をむかえる女性が9割で、閉経の前後1年間くらいを更年期と考えます。この期間に前述した不快症状が現れる場合を、更年期障害と呼びます。第一の原因は卵胞ホルモンの欠乏にあり、ホルモンを補充することで症状の緩和が期待できます。また、ホルモン療法には骨粗し