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5月 2日 ちょっとからくちTALK vol.8 井上初代の… 子の食事のしかたで親のしつけが分かる

 ある避暑地でちょっとシャレたレストランをみつけ、そこで昼食をとることにしました。注文を終わって落ちついた雰囲気に満足しながら、ある食卓のグループに目がとまりました。そこは3人の親しい女子大学生らしい仲間のようです。食事をとりながらの会話がウイットで楽しそうであり、声もマナーを心得ていて、「会話もおいしい中」と思わせる雰囲気でした。みるともなく食事をしている一人のマナーにみほれてしまいました。フォーク・スプーンの扱い、スプーンで口に運ぶ食べ方など、マナー以上に優雅で美しいのです。普通のランチを自然体でこんなに見事に食べるその学生がうらやましく、幼少のころどんなしつけをされたのか、親の顔がみたいと思った、ほんの一瞬の食事風景です。食事の習慣は「楽しい雰囲気の中で、ゆっくり丁寧にたべる」ことを大切にします。
 例えば、乳児には『食物や食器になれる』を中心にし、幼児期は食べる楽しみに加えて、『家族や先生や友達と一緒に食べる楽しみ』を中心に、衛生やマナーに関するしつけを織りまぜながら育てるようにします。つまり幼児期は、基本的なものと次への習慣化を育てる適時なのです。
 保育所や幼稚園では食の文化を考え、一時間くらいお弁当の時間をとって、食前・食事・食後を過ごせるように大切にしています。お話しながら食事をするマナー、例えばテーブルを囲んだ人にだけ話をするとか、口にいっぱい食べものをいれてたべない、話さないなど、しゃべることと、食べることの関係をうまくできるように教えます。


伝統の食文化、
箸の扱いを大切に

 子どもは大人の食事のしかたをみて、食事にかかわることを学びます。ある調査では、わが子の箸の持ち方が正しいと回答した親子をさらに調べたら、その半数以上が正しくなかったといいます。親自身が正しい箸の持ち方を理解していないのではという結論でした。7歳になってしまった子に正しい箸の持ち方を教えようとしたら、「食事がおいしくない」と言われ見過ごしたら、成人してもそのままで困っているといいます。
 「たかが箸の持ち方・扱い方」ではない例もあります。その母親は魚料理をみごとにきれいに食べたので、感激した板前さんが挨拶にきたというエピソードの持ち主。その次男が、社内の宴会でタイのかぶと煮を見事に美しく食べたので、食事マナーと品格をみぬいたのでしょう、上役に認められ大抜擢をされたと私に話されました。
 食事は大事な文化です。人と人とのかかわりの大切な場面でもあります。食事は人間関係にもかかわる文化的な意味ももつのです。