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7月 4日 ちょっとからくちTALK vol.12

桃井真里子の・・・・ちょっとからくちTALK
救急外来の診察室から見えるもの

 親にとって子どもの急病ほど、心配なものはありません。自分が病気になるほうがよほど楽、でしょう。また、子どもはよく病気をします。大学病院の救命救急センターは、三次救急医療施設なので、心肺停止、けいれん重積、などの重症救急が役割です。
 しかし、この10年間、この救命救急センターに、軽症救急が多く受診し重症患者さんへの医療に支障を来たしていることはニュースなどでご承知の通りです。
 この数年目立つことは、軽症患者さんの救急車利用が増えていることです。「病院の場所が分からなかったから」「救急車でいけば診療を早く受けられるから」「運転する人がいなかったから」など、論外! の理由が多々あるのです。
 これは、自分だけ得をすれば良い、という利己的意識の反映です。若い医師がそういう救急車利用について注意をすると親が檄高してかえって診療時間がかかるので、ひたすら耐えてお帰り頂く、ことになります。また同じようなことがないことを願いながら、です。
 一度、注意をしたら医者を代えろと怒鳴りだした親がいました。苦情は言わなきゃ損、得することはしなきゃ損、利用できるものは利用して何が悪いんだ、という意識がはびこっているように思えます。私は神経の患者さんを診療しています。そのような方々はむやみに夜受診しません。基礎疾患があるせいか日ごろ、子どもの調子をよく観察しているので、あれ、おかしいな、と気づくのが早く、また、悪くならないうちに、と無理をしてでも日中に受診してくださるからです。

子どものかかりつけ医を近隣で探しましょう
 親になった以上、ぜひ、していただきたいことがあります。それは産科を退院したら、直ちに近隣のかかりつけ医を決めていただきたいのです。病気がなくても、です。予防接種のこと、栄養のこと、急病のときの地域の時間外診療体制、などなど、育児に必要な医学的情報をしっかりと手にしてください。幼児期以降はけがをすることもあるでしょうから、かかりつけ医に近くで受診できる外科系の医療施設も聞いておくと良いでしょう。
 必要なときにいつでもコンビニで入手できる生活に慣れて、事前準備、ということができない大人が増えています。育児に事前準備は必須です。そして自分の得だけではなく、自分の行為で誰か知らない人が大きな損害を被っているかもしれない、と考える親であって欲しいと思います。
 それは自分の子どもにも何よりの教育になるでしょう。